ホームページの仕組みをやさしく解説|ドメイン・DNS・サーバー・SSL・メールの関係と、どこが止まると何が起きるか【経営者向け】

公開日:2026.09.30

  • Webサイト保守
  • ホームページ制作/リニューアル

記事の監修

IT・WEB集客の専門家

波多野 明仁(Akihito Hatano)

WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。

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こんにちは、株式会社ソライルの波多野です。

「ホームページが表示されない」「メールが急に届かなくなった」「制作会社と連絡が取れず、何を契約しているのか分からない」。こうしたご相談で最初にお聞きするのは、「ドメインとサーバーは、どこで、誰の名義で契約していますか」です。ここで答えに詰まる会社が、とても多いのです。

ホームページは、ドメイン・DNS・サーバー・サイトのデータ・SSL・メールという、いくつかの部品が組み合わさって動いています。仕組みを「用語」ではなく「何を契約し、誰が管理し、どこが止まると何が起きるか」で押さえておくと、トラブルのときに慌てず、制作会社や保守会社とも対等に話せます。この記事では、その視点でホームページの仕組みを整理します。

  • ホームページが表示されるまでの流れ(6つの部品)
  • 部品ごとの役割・契約先・管理者・費用の一覧表
  • どこが止まると、何が起きるか(トラブルの切り分け表)
  • 名義と管理情報は誰が持っているべきか
  • WordPressの場合に増える層、保守会社が見ているところ
  • 制作会社・保守会社を変えるときに、何を移すか

1. ホームページが表示されるまでの流れ(6つの部品)

お客様がブラウザで「example.co.jp」を開くと、裏側では次のことが起きています。

  1. ブラウザが、ドメイン「example.co.jp」の住所(IPアドレス)をDNSに問い合わせる
  2. DNSが「そのドメインは、このサーバーにあります」と答える
  3. ブラウザがそのサーバーに「ページをください」と要求する
  4. サーバーが、置いてあるサイトのデータ(WordPressならプログラムとデータベースからページを組み立てて)を返す
  5. 通信はSSL証明書で暗号化され、ブラウザに鍵のマーク(https)が付く
  6. ブラウザが受け取ったデータを画面に表示する

この流れに出てくる部品が、ドメイン・DNS・サーバー・サイトのデータ・SSLの5つです。これに、同じドメインを使うメールを加えた6つが、会社のホームページを支える部品です。

ホームページが表示されるまでの流れと6つの部品。ブラウザ(お客様がexample.co.jpを開く)→ドメイン/DNS(名前をサーバーの場所に結びつける。契約は登録事業者、名義は自社)→サーバー(サイトのデータとSSL証明書。契約はレンタルサーバー会社、名義は自社)→表示。同じドメインの下にメール(届け先はDNSのMXで指定)。契約の名義は自社、作業は制作会社・保守会社に任せてよい

部品 役割 身近なものに例えると
ドメイン サイトとメールの「名前」(example.co.jp) 会社の住所・看板
DNS ドメインをサーバーの場所(IPアドレス)に結びつける仕組み 住所録・案内所
サーバー サイトのデータを置き、要求に応じて返すコンピューター 土地と建物
サイトのデータ ページの文章・画像・プログラム(WordPressなど) 建物の中身・内装
SSL証明書 通信を暗号化し、「本物のサイト」と示す 建物の鍵と表札の証明
メール ドメインを使った送受信(info@example.co.jp) 会社の郵便受け

2. 部品ごとの契約先・管理者・費用の一覧表

経営者が押さえるべきなのは、この6つが「どこで契約され」「誰が管理し」「いくらかかっているか」です。

部品 契約先 管理しているべき人 費用の目安
ドメイン 登録事業者(お名前.com、ムームードメイン、エックスサーバードメインなど) 自社(名義)。設定の作業は制作会社に任せてよい 年数千円
DNS 通常は登録事業者、またはレンタルサーバー会社(Cloudflareなどを使う場合も) 自社の名義の下で、制作会社・保守会社が設定 多くは無料(ドメインかサーバーに含まれる)
サーバー レンタルサーバー会社(エックスサーバー、さくら、ロリポップなど) 自社(契約者)。運用は保守会社 月1,000円前後から
サイトのデータ 制作会社が作成し、サーバーに置く 著作権と所有は契約で確認。バックアップは保守会社 制作費・保守費に含まれる
SSL証明書 レンタルサーバーに無料で付くものが主流 保守会社(自動更新の確認) 無料〜(有料は年数千円〜)
メール レンタルサーバー、または Google Workspace・Microsoft 365 自社。設定は保守会社 サーバーに含まれる/1人あたり月数百円〜

制作会社の見積もりに「ドメイン・サーバー管理費」がある場合、この表のどれが含まれ、名義が誰になっているかを確かめてください。名義が自社であれば、管理を任せること自体は問題ありません。名義が制作会社になっていると、その会社と連絡が取れなくなったときに、更新も移管もできなくなります。

3. ドメインとDNS:名前と住所録

ドメインは「名前」で、それだけではどのサーバーにサイトがあるか分かりません。名前と場所を結びつけるのがDNS(ドメイン・ネーム・システム)です。

DNSには、いくつかの「レコード」という設定があります。経営者が名前だけ知っておくとよいのは次の4つです。

レコード 役割 触るとどうなるか
A サイトの置き場所(サーバーのIPアドレス) 間違えるとサイトが表示されない
MX メールの届け先 間違えるとメールが届かない
TXT(SPF・DKIM・DMARC) 「このドメインのメールは、このサーバーから送る」という宣言。なりすまし対策 無いと、送ったメールが迷惑メール扱いになりやすい
CNAME 別の名前への転送(www付き・サブドメインなど) サブドメインやサービス連携で使う

サーバーを移転するときは、Aレコードだけ変えてMXを忘れる、というのが典型的な事故です。サイトとメールは同じドメインの下にあるが、置き場所は別々に指定できる、と覚えておいてください。DNSの変更は反映に数時間〜最大72時間かかるため、移転の日程はそれを見込んで組みます。

4. サーバー:土地と建物

サーバーは、サイトのデータを置いて、要求に応じて返すコンピューターです。中小企業のホームページでは、1台のサーバーを複数の会社で分け合う「共用レンタルサーバー」が一般的で、費用も月1,000円前後からです。

種類 向いている用途 費用の目安 管理の手間
共用レンタルサーバー 会社のホームページ、ブログ、小規模なEC 月1,000円前後〜 小(サーバー会社が基盤を管理)
VPS・クラウド 独自の仕組み、アクセスが多いサイト、複数サイトの集約 月数千円〜 大(OSやセキュリティの更新を自分で行う)
ECサービス・ホームページ作成サービス 通販、簡単なサイト 月数千円〜 小(サーバーを意識しない。ただしデータの持ち出しに制限がある)

会社のホームページは、共用レンタルサーバーで足ります。大事なのは種類より、契約者が自社であること、契約の更新日と支払い方法を把握していること、バックアップが取られていることの3つです。サーバー会社は、サーバーそのものの故障には対応しますが、お客様のサイトの中身(WordPressの不具合や改ざん)は対応範囲外です。そこを見るのが保守会社の役割です(8章)。

5. サイトのデータとWordPress:建物の中身

サーバーに置かれているのが、サイトのデータです。単純なサイトなら、HTMLというページのファイルと画像だけですが、多くの中小企業のサイトはWordPressで作られていて、次の層が加わります。

層 内容 止まると起きること
WordPress本体 ページを組み立てるプログラム 更新をしないと、脆弱性を突かれて改ざん・乗っ取りにあうことがある
テーマ デザインの型 更新で表示が崩れることがある。バックアップを取ってから更新
プラグイン 機能の追加(フォーム・SEO・バックアップなど) 古いプラグインは不具合と攻撃の入口になりやすい
データベース 記事・設定・ユーザー情報を保存する場所 壊れると、サイトが白い画面やエラー表示になる
PHP WordPressを動かすプログラム言語(サーバー側) バージョンが古いとサーバー会社が停止することがあり、新しすぎると古いテーマ・プラグインが動かない

WordPressのサイトで「急に表示されなくなった」の多くは、この層のどれかの更新や不整合が原因です。バックアップがあれば戻せますが、無ければ作り直しになります。WordPressの更新のやり方と注意点は「WordPressの更新方法と注意点」、白い画面やエラーになったときの見方は「WordPressで500エラーが出たときの原因と対処」の記事にまとめています。

6. SSL証明書:鍵のマークの正体

ブラウザの鍵のマーク(https)は、SSL証明書で通信が暗号化されていることを示します。今は、レンタルサーバーに無料の証明書が付くのが標準で、有料の証明書を別に買う必要は、ほとんどの中小企業ではありません。

知っておくべきことは2つです。

  • 証明書には期限があり(無料のものは90日ごとに自動更新)、更新が失敗すると「この接続は保護されていません」という警告が全ページに出る
  • https に対応していないサイトは、ブラウザに「保護されていない通信」と表示され、検索でも不利になる

証明書の自動更新が失敗する原因は、DNSの設定変更やサーバー移転が多く、移転の後は必ず鍵のマークを確認します。保守では、この期限と更新の成否を毎月確認しています。

7. どこが止まると、何が起きるか(トラブルの切り分け表)

仕組みが分かると、トラブルの切り分けができます。「表示されない」と一口に言っても、原因の場所で症状が違います。

どこが止まると何が起きるか(切り分け表)。サイトもメールも両方止まった→ドメイン/DNS。サイトだけ止まりメールは届く→サーバー/サイトのデータ。メールだけ届かない→MX/メールサーバー。「保護されていません」の警告→SSL証明書。崩れた・白い画面→WordPressの層。見覚えのないページ→改ざん。両方止まったならドメインかDNS、片方ならその部品

症状 止まっている可能性が高い部品 最初に確かめること
サイトもメールも両方止まった ドメイン(期限切れ)またはDNS 登録事業者の管理画面でドメインの期限。DNSの設定が変わっていないか
サイトだけ止まり、メールは届く サーバー(期限切れ・障害)またはサイトのデータ(WordPressの不具合) サーバー会社の障害情報と契約状態。WordPressの管理画面に入れるか
メールだけ届かない・送れない メールの設定(MX・SPF)またはメールサーバー 直前にDNSやサーバーを変えていないか。送信テスト
「保護されていません」の警告が出る SSL証明書(更新失敗) サーバーの管理画面で証明書の状態
見た目が崩れた・白い画面・エラー表示 サイトのデータ(テーマ・プラグイン・PHPの更新) 直前に更新したものを戻す。バックアップの有無
表示は速いが内容が古い 更新が反映されていない(キャッシュ)か、別のサーバーを見ている キャッシュの削除。DNSの向き先
見覚えのないページや文字が出る 改ざん(WordPressの脆弱性) すぐに保守会社へ。パスワードの変更とバックアップからの復旧

「両方止まったならドメインかDNS、片方ならその部品」が、切り分けの基本です。この表を手元に置いておくだけで、サーバー会社・登録事業者・保守会社のどこに連絡すべきかが決まります。サイトが消える3つの期限(ドメイン・サーバー・SSL)については「サイトが消える3か所の期限」の記事で詳しくご案内しています。

8. 保守会社は、仕組みのどこを見ているのか

「保守」は、上の部品を定期的に確認し、止まる前に手を打つ仕事です。弊社の保守で毎月確認しているのは、次のところです。

部品 毎月の確認 目的
ドメイン・サーバー・SSL 期限・自動更新・支払いの状態 期限切れで止まるのを防ぐ
サーバー 稼働の監視、容量、障害情報 止まっていたら気づく。容量不足でメールが受け取れなくなるのを防ぐ
サイトのデータ WordPress・テーマ・プラグインの更新、バックアップ、改ざんの有無 脆弱性を放置しない。壊れても戻せる
メール 送受信の確認、迷惑メール判定の状況 届かない・届きにくいを早く見つける
表示・動作 主要ページの表示、フォームの送信テスト 問い合わせが届いていないのに気づかない、を防ぐ

サーバー会社の「監視」は、サーバーそのものが動いているかを見るもので、お客様のサイトが正しく表示されているか、フォームが届くかまでは見ません。その違いは「サーバー監視とは」の記事で整理しています。保守の内容と費用の全体は「ホームページ(Webサイト)保守とは?」をご覧ください。

9. 名義と管理情報:誰が何を持っているべきか

仕組みが分かると、「誰が何を持っているべきか」も見えてきます。原則は、契約の名義は自社、作業は任せてよい、です。

情報 持っているべき人 無いと起きること
ドメインの登録事業者と、その管理画面のログイン情報 自社(2人以上が分かる場所に) 更新・移管・DNS変更ができない
レンタルサーバーの契約者情報とログイン情報 自社 サイトのデータの取り出し、移転ができない
WordPressの管理者アカウント 自社(制作会社には別のアカウントを発行) 制作会社と切れたら、サイトの中身を触れない
サイトのデータの著作権・所有の取り決め 契約書で確認 移転や作り直しのときに、データを持ち出せないことがある
メールのアカウント一覧とパスワードの管理方法 自社 退職者のアドレスが放置される、引き継げない

制作会社や個人に「全部お任せ」で作ってもらったサイトは、この表の情報が自社に無いことが多く、その会社が廃業したり連絡が取れなくなったりすると、サイトを触れなくなります。弊社にも、制作業者の廃業でサーバー料金が未納になり、サイトが止まっていた造園業のお客様から相談があり、サーバー会社への問い合わせの文面例を作りながら情報を集めて復旧したことがあります。管理情報を1枚にまとめる方法は「ホームページの管理情報は1枚にまとめる」の記事でご案内しています。

10. 制作会社・保守会社を変えるときに、何を移すか

管理会社を変えるときも、仕組みが分かっていれば、何を移すかが決まります。

部品 移すときにすること 注意点
ドメイン 名義が自社なら、そのまま。制作会社名義なら移管(名義変更) 移管には登録事業者の手続きと数日〜2週間かかる
DNS 新しいサーバーの場所に向きを変える メール(MX)の設定も一緒に。反映まで最大72時間
サーバー 新しいサーバーを契約し、データを移す。旧サーバーは並行期間を置いて解約 解約を急ぐと、DNS反映前に旧サイトが消える
サイトのデータ ファイルとデータベースをそのまま移す 著作権・持ち出しの可否を契約で確認
SSL証明書 新しいサーバーで取り直す 移転直後に警告が出ることがある。移転当日に確認
メール 新しいサーバーでアカウントを作り直し、旧メールを保存 移転の前後でメールが消えないよう、両方で受信する期間を作る

弊社にご相談いただくお客様の多くは、「前の会社が何をしていたのか分からない」状態から始まります。それでも、この表の順に確かめていけば、ほとんどは移せます。管理会社を変える手順の全体は「サーバー移転・移管の進め方」の記事にまとめています。

11. 仕組みを知っておくと、制作の依頼も変わる

仕組みを知ると、これから作る場合の依頼の仕方も変わります。制作会社に頼むときに確かめることは、次の4つです。

  • ドメインとサーバーは自社名義で契約し、ログイン情報を共有する形にできるか
  • 公開後のバックアップと更新(WordPress・テーマ・プラグイン)は、誰がどの頻度で行うか
  • サイトのデータの著作権と、将来の移転時にデータを持ち出せることが契約に書かれているか
  • メールもこのドメインで使う場合、SPF・DKIM・DMARCまで設定してもらえるか

公開までにそろえるものは「ホームページの作成・公開に必要なもの」、ドメインの選び方は「会社のドメインの選び方」の記事でご案内しています。

12. ソライルにご相談いただく場合

弊社は、Webの困りごとをまとめてご相談いただける専門家として、ドメイン・DNS・サーバー・WordPress・メールまで、仕組みの全体を見たうえで、制作・移転・保守を代表が直接お引き受けしています。保守では、この記事の8章のとおり、毎月、必ずサイトを確認して、作業の内容をご報告します。「何をしてもらっているのか分からない保守」にはしません。

「ドメインとサーバーがどこにあるのか分からない」「前の制作会社と連絡が取れない」「表示されないが、どこに連絡すればいいのか分からない」という段階で構いません。「こんな状態なのですが、相談できますか」くらいの気持ちで、お問い合わせからお声がけください。初回のご相談は無料で、全国オンラインで対応しています。保守の内容と料金は「ホームページ保守」のページにまとめています。

13. よくある質問

Q. ホームページとWebサイトは同じものですか?

A. 同じ意味で使われています。もともと「ホームページ」はサイトの最初のページを指す言葉でしたが、日本では「Webサイト全体」の意味で定着しています。この記事でも同じ意味で使っています。

Q. ドメインとサーバーは、同じ会社で契約したほうがいいですか?

A. 同じ会社にすると設定の手間が減りますが、別の会社でも問題ありません。大事なのは、どちらも自社名義で、管理画面のログイン情報が手元にあることです。

Q. サーバー会社が「監視している」と言っているので、保守は要りませんか?

A. サーバー会社の監視は、サーバーそのものの稼働を見るものです。お客様のサイトが正しく表示されているか、WordPressが更新されているか、フォームが届くかは見ていません。そこを見るのが保守です。

Q. 制作会社に「ドメインとサーバーはこちらで管理します」と言われました。問題ありますか?

A. 管理(設定の作業)を任せること自体は問題ありません。確かめるべきは、契約の名義が自社になっているか、ログイン情報を共有してもらえるか、解約や移転のときにデータを渡してもらえるか、の3点です。

Q. バックアップは、サーバー会社が取ってくれているのではないですか?

A. 多くのレンタルサーバーには自動バックアップがありますが、保存期間が短い(7〜14日程度)、復元が有料、対象がサーバー全体で個別のサイトを戻しにくい、といった制限があります。自社で(または保守会社が)別に取っておくのが安全です。

Q. 仕組みを全部理解しないと、ホームページを持てませんか?

A. いいえ。この記事の2章の表(契約先・管理者・費用)と7章の表(どこが止まると何が起きるか)の2つを手元に置いておけば十分です。作業は制作会社・保守会社に任せ、名義と管理情報だけ自社で持ってください。

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