会社のメールアドレスに迷惑メールが大量に届く原因と対処法|今すぐ止める設定と、根本から減らす5つの対策
公開日:2026.09.29
- Webサイト保守

記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
こんにちは、株式会社ソライルの波多野です。
「info@のアドレスに、1日に何十通も迷惑メールが届く」「急に増えて、本当に必要なメールが埋もれる」。会社のメールアドレスについて、保守のご相談でよくいただくお悩みです。
会社のアドレスに届く迷惑メールは、個人のアドレスと少し事情が違います。ホームページにアドレスを載せている、お問い合わせフォームがある、社員が辞めても古いアドレスが残っている、といった会社ならではの入口があるからです。
この記事では、なぜ会社のアドレスに迷惑メールが増えるのか、今すぐできる設定、根本から減らす対策、保守会社に任せる範囲を、順にご案内します。
- 会社のアドレスに迷惑メールが増える5つの入口
- 開いてはいけないメールの見分け方
- 今すぐできる設定(レンタルサーバー側・メールソフト側)
- 根本から減らす5つの対策
- 保守会社に任せる範囲と、費用の目安
1. 会社のメールアドレスに迷惑メールが増える5つの入口
迷惑メールは、送り手があなたのアドレスを「知っている」から届きます。会社のアドレスが知られる入口は、主に次の5つです。

| 入口 | 何が起きているか | 見分けるヒント |
|---|---|---|
| ホームページに載せたアドレス | 会社案内や採用ページに書いたアドレスを、機械が自動で集めている | info@や採用用など、公開しているアドレスに集中して届く |
| キャッチオール(すべて受信)の設定 | 存在しないアドレス宛(例:abc@自社ドメイン)も、代表のアドレスで受け取る設定になっている | 見覚えのない宛先(To)のメールが届く |
| 名簿・流出 | 取引先や利用したサービスから、アドレスの一覧が流出した | 同じ時期に、複数の社員のアドレスへ一斉に届き始めた |
| なりすましの返送 | 自社のアドレスを差出人に偽装した迷惑メールが世界中に送られ、その「宛先不明」の返送が自社に届く | 「Undeliverable」「配信できませんでした」というメールが大量に届く |
| 辞書攻撃 | よくある名前(info、sales、support、名字など)を機械が総当たりで送っている | 使っていないアドレス宛にも届く。キャッチオールと組み合わさると爆発的に増える |
「急に増えた」場合は、名簿の流出か、なりすましの返送のどちらかであることが多いです。どちらも自社に落ち度がなくても起きます。
2. 開いてはいけないメールの見分け方
会社のアドレスに届く迷惑メールを、目的で分けると次のとおりです。
| 種類 | 目的 | 会社での危険度 |
|---|---|---|
| 広告・宣伝メール | 商品やサービスの売り込み。海外の通販、出会い系、投資など | 低い。量が多く、必要なメールが埋もれるのが害 |
| フィッシング | 偽のログイン画面でIDとパスワードを盗む | 高い。銀行・クラウド・宅配を装う |
| 標的型攻撃 | 添付ファイルやリンクでウイルスを入れ、社内の情報を盗む | 最も高い。取引先や社内の人を装う |
| 脅迫・詐欺 | 「乗っ取った」「攻撃する」と脅して金銭を要求 | 中。根拠のない一斉送信がほとんど |
| なりすましの返送 | 自社のアドレスをかたった迷惑メールが宛先不明で戻ってくる | 低い。ただし量が多く、自社の送信の評判にも影響する |
迷惑メールの大半は無視すれば済みますが、一部は開くと被害につながります。会社のアドレスに届くもので、注意が要るのは次の3種類です。
- フィッシング:銀行・宅配・クラウドサービス・官公庁を装い、ログインや支払いを求める。リンク先の偽サイトにIDとパスワードを入れさせる
- 標的型攻撃:取引先や社内の人を装い、請求書や見積書に見せかけた添付ファイルを開かせる。文面が自然で、会社名や担当者名が正しいことが多い
- 脅迫・詐欺:「あなたのパソコンを乗っ取った」「サイトを攻撃する」と脅して仮想通貨での支払いを求める。ほとんどは根拠のない一斉送信
見分け方は、送信元のアドレス(表示名でなく@以降)、リンク先のURL、添付ファイルの種類(拡張子)の3つです。少しでも疑わしければ、メールのリンクからは開かず、いつも使っているブックマークや公式アプリから確かめてください。届いた迷惑メールに返信したり、「配信停止」のリンクを押したりすると、「生きているアドレス」と判断されて、さらに増えます。
3. 今すぐできる設定(レンタルサーバー側とメールソフト側)
迷惑メールの対策は、「サーバーで受け取る前に止める」と「受け取ったあとに振り分ける」の2段階です。会社のメールは多くの場合レンタルサーバーで受け取っているため、まずサーバー側の設定を確かめます。

急に増えたときに、最初の30分でやること
- 届いているメールの「宛先(To)」と「件名」を10通ほど見て、1章の表のどの入口かを見当をつける(見覚えのない宛先なら キャッチオール、「配信できませんでした」ばかりなら なりすましの返送)
- 社員のメールの「送信済み」フォルダに、見覚えのないメールがないかを確かめる(あれば乗っ取り。すぐにパスワードを変える)
- レンタルサーバーの管理画面で、迷惑メールフィルタとキャッチオールの設定を見る
- 迷惑メールに返信・配信停止・添付の開封をしないよう、社内に一言伝える
- 保守会社に「いつから・どの宛先に・どんな件名で」を添えて連絡する
レンタルサーバー側でやること
- 迷惑メールフィルタを有効にする:多くのレンタルサーバーには、迷惑メールを判定して件名に印を付けたり、別フォルダに入れたりする機能があります。管理画面の「メール」の設定で、有効になっているかを確かめます
- キャッチオールを止める:存在しないアドレス宛のメールを代表アドレスで受け取る設定は、辞書攻撃の受け皿になります。使っているアドレスだけを作り、それ以外は受け取らない(エラーで返す)設定にします
- 使っていないアドレスを消す:退職者のアドレス、昔のキャンペーン用アドレスは、迷惑メールしか届かない状態になりがちです。必要なら転送だけ残して、アドレス自体は整理します
- 拒否リストは最後の手段:差出人アドレスは毎回変わるため、1件ずつ拒否しても追いつきません。ドメイン単位・国単位の拒否が使える場合だけ検討します
メールソフト・ウェブメール側でやること
- Gmail・Outlook・Thunderbirdなどの「迷惑メール」判定を有効にし、迷惑メールフォルダに入ったものは数日に1回まとめて確認する
- 件名に付いた印([SPAM]など)で自動的に振り分けるルールを作る
- 迷惑メールフォルダにある「本当に必要なメール」は「迷惑メールではない」と教える。判定の精度が上がります
この2段階で、届く量の多くは受信箱から消えます。ただし、根本の入口がそのままなら、量は減りません。次の章で入口をふさぎます。
4. 根本から減らす5つの対策
対策1:ホームページのアドレスの載せ方を変える
会社案内やお問い合わせページに、文字でメールアドレスを書くのをやめ、お問い合わせフォームに置き換えます。どうしてもアドレスを載せる場合は、画像にする、「@」を「(アット)」と書くなど、機械に読み取られにくくします。フォームには迷惑投稿対策(reCAPTCHAなど)を入れます。フォーム経由の迷惑メールは「フォームに迷惑メールが大量に届くときの対処法」の記事でご案内しています。
対策2:アドレスを役割ごとに分ける
公開用(info@)、取引先用(担当者個人)、サービス登録用を分けておくと、どこから漏れたかが分かり、漏れたアドレスだけを作り直せます。公開用のアドレスは「いつでも作り直せるもの」と割り切ると、対処が楽になります。
対策3:SPF・DKIM・DMARCを設定する
これは「自社になりすました迷惑メール」を減らす設定です。自社のドメインを差出人に偽装した迷惑メールが世界中に送られると、その返送や苦情が自社に戻ってきます。SPF・DKIM・DMARCをドメインの設定(DNS)に入れると、受け取る側が「このメールは本物の自社サーバーから来たか」を確かめられるようになり、なりすましが弾かれます。同時に、自社が送るメールが迷惑メール扱いされにくくなります。設定の考え方は「メールが相手に届かない?迷惑メール判定される原因と対処法」の記事でご案内しています。
「配信できませんでした」が大量に届くときの対処
自社のアドレスをかたった迷惑メールの返送(バックスキャッター)は、自社が送っていないメールの返送なので、止める手段が自社側にほとんどありません。できるのは、①SPF・DKIM・DMARCを設定して、なりすましが受け取る側で弾かれるようにする ②返送メールをメールソフトのルールで別フォルダに振り分ける ③数日から数週間で自然に収まるのを待つ、の3つです。返送が届いていること自体は、自社のサーバーが乗っ取られた証拠ではありません。
対策4:メールサーバーとフィルタを見直す
古いレンタルサーバーや、迷惑メール判定の弱いサーバーを使っている場合は、判定の強いサーバーやメールサービスへの移転で、届く量が大きく変わります。移転にはドメインのDNS設定(MXレコード)の変更が伴い、手順を誤ると受信が止まります。サーバー移転の考え方は「サーバー移転の手順」の記事でご案内しています。
対策5:社内のルールを決める
迷惑メールは、設定だけでは100%止まりません。「メールのリンクから開かない」「添付ファイルは拡張子を見る」「疑わしいときは電話で確かめる」を社内で決め、届いたときの相談先(保守会社・社内の担当)を明らかにしておきます。
5. 迷惑メール対策のチェック表
| 確認する項目 | できているか |
|---|---|
| レンタルサーバーの迷惑メールフィルタが有効になっている | |
| キャッチオール(すべて受信)が止まっている | |
| 使っていないメールアドレスを整理した | |
| ホームページに文字のアドレスを載せていない(フォームに置き換えた) | |
| フォームに迷惑投稿対策が入っている | |
| 公開用・取引先用・登録用でアドレスを分けている | |
| SPF・DKIM・DMARCがドメインの設定に入っている | |
| メールソフト側で迷惑メールフォルダを使い、振り分けルールがある | |
| 社内で「開かない・押さない・確かめる」のルールを共有した | |
| 困ったときの相談先が決まっている |
6. 保守会社に任せる範囲と、費用の目安
サーバーの設定、キャッチオールの停止、SPF・DKIM・DMARC、サーバー移転は、ホームページの保守会社が対応できる範囲です。多くの保守契約では、メールとドメインの設定管理が月額の保守料金に含まれています。弊社のホームページ保守でも、ドメイン・サーバー・メールの設定管理を行っており、料金はライトプラン6,600円、スタンダードプラン14,300円、プレミアムプラン33,000円(いずれも月額・税込)です。メールサーバーの移転など、プランに含まれない作業は事前にお見積もりをお出しします。
保守会社に頼むときは、「迷惑メールを減らしたい」だけでなく、1章の表を見て「どの入口が疑わしいか」を伝えると、対処が早くなります。誰も管理していない状態が気になる方は、「ホームページのサーバー監視とは?」の記事もあわせてご覧ください。
7. よくある質問
Q. 迷惑メールが急に増えました。何かに侵入されたのでしょうか?
A. 多くの場合は、名簿の流出か、自社のアドレスをかたった迷惑メールの返送で、自社のサーバーに侵入されたわけではありません。ただし、社員のパソコンやメールアカウントが乗っ取られて、迷惑メールの送信元になっていることもあります。送信済みフォルダに見覚えのないメールがないかを確かめてください。
Q. 迷惑メールの「配信停止」リンクを押してもいいですか?
A. 押さないでください。実在する会社のメールマガジンなら配信停止は有効ですが、迷惑メールの場合は「生きているアドレス」と判断され、さらに増えます。
Q. メールアドレスを変えれば解決しますか?
A. 公開用のアドレスを作り直すと、その入口からの迷惑メールは止まります。ただし、ホームページに文字で載せたままにすると、また同じことが起きます。載せ方を変えることとセットで行ってください。
Q. レンタルサーバーの迷惑メールフィルタを強くすると、必要なメールまで消えませんか?
A. 判定を強くすると、まれに必要なメールが迷惑メールフォルダに入ります。「消す」設定ではなく「振り分ける」設定にし、週に1回は迷惑メールフォルダを確かめる運用にしておけば、見落としは防げます。
Q. SPF・DKIM・DMARCは、自社で設定できますか?
A. ドメインの管理画面でDNSの設定ができれば可能ですが、書き方を誤ると自社のメールが届かなくなります。ドメインとサーバーの管理を保守会社に任せている場合は、保守会社に依頼するのが安全です。
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