WordPressのバックアップ|「取っている」で終わらせず、戻せる形にする方法【2026年版】
公開日:2021.03.29 更新日:2026.09.19
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記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
こんにちは、株式会社ソライル Web集客コンサルタントの波多野です。
「バックアップは取っています」。保守のご相談でこう聞いて、実際に確かめると、戻せる状態になっていたのは半分くらいです。取っているのに戻せない。これがWordPressのバックアップでいちばん多い落とし穴です。
昨日の分しか残っていない。改ざんされたページがそのまま上書き保存されている。サーバーと同じ場所にしか置いていない。復元の手順を誰も試したことがない。どれも「取っている」のに、いざという日に役に立ちません。
この記事では、WordPressのバックアップで何を守るのか、どう取れば戻せるのか、いつ取るのか、そして戻すときにどうするのかを、実務の順にお伝えします。プラグインの紹介記事ではなく、「戻せる状態にする」ための記事として読んでください。
1. バックアップで守るのは2種類のデータ
WordPressのサイトは、大きく2種類のデータでできています。片方だけ取っても、サイトは元に戻りません。

- データベース:記事、固定ページ、コメント、管理画面の設定、ユーザー情報。文章と設定はすべてここにあります
- ファイル:テーマ、プラグイン、アップロードした画像やPDF。サーバーの wp-content フォルダの中にあります
たとえば画像だけ戻しても、記事が無ければ表示されません。逆に記事だけ戻しても、テーマが無ければレイアウトが崩れます。バックアップは「データベースとファイルの両方を、同じ時点で」取るのが基本です。
なお、管理画面の「ツール>エクスポート」で書き出せるのは記事や固定ページの中身だけで、設定やテーマは含まれません。あれは引っ越し用であって、バックアップの代わりにはなりません。
2. 「取っている」だけでは足りない。戻せるバックアップの5条件
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。バックアップは「取っているか」ではなく「戻せるか」で判断してください。私が保守の引き継ぎで必ず確認するのは、次の5つです。

- 頻度が、サイトの更新頻度に合っている。毎日更新するサイトで月1回では、1か月分の記事が消えます
- 世代数と保管期間が足りている。「毎日取っている」でも、直近1日分しか残していなければ、1週間前の改ざんに今日気づいたとき戻す先がありません。数週間分は残してください
- 保管場所が、サイトのサーバーと分かれている。同じサーバーにしか無いと、サーバー障害や乗っ取りで本体と一緒に失います
- 復元の手順を、一度は試している。バックアップファイルはあっても、戻し方を誰も知らない会社は珍しくありません
- 更新の直前にも取っている。WordPress本体やプラグインの更新で表示が崩れたとき、直前の状態に戻せるかどうかで復旧時間が変わります
この5つのうち、契約している保守会社に聞いてすぐ答えが返ってこないものがあれば、そこが穴です。確認の仕方は、「バックアップはいつの時点まで戻せますか」「どこに保管していますか」の2つで足ります。
→ ホームページ保守契約の内容とは?契約書で必ず確認する10項目
3. 取り方は3つ。サーバー・プラグイン・手動
バックアップの取り方は3つあります。どれか1つで完結させるより、組み合わせるのが現実的です。

3-1 サーバーの自動バックアップ。まず「有効か・何日分か・復元は無料か」を確認する
多くのレンタルサーバーには、自動バックアップの機能があります。最初に確認するのはこの3点です。
- 有効になっているか(申し込みが必要な会社、初期設定で無効の会社があります)
- 何日分を保管しているか(7日、14日など。会社とプランで違います)
- 復元が無料か、有料か(以前は復元に費用がかかる会社が多くありました。今も条件つきの場合があります)
サーバーの自動バックアップは、手間なく毎日取れるので土台として優秀です。ただし、保管場所がサーバー会社側の1か所である点と、サーバーの契約が切れると一緒に消える点は覚えておいてください。
参考までに、当社の推奨サーバーでは毎日・14世代のバックアップが取られています。保守のお客様には、これに当社側のバックアップを重ねる形にしています(6章)。
3-2 プラグイン。役割の違いを知って選ぶ
プラグインは、サーバーの機能に頼らず、外部のストレージ(Google DriveやDropboxなど)へ控えを逃がせるのが利点です。定番を3つ挙げます。
- UpdraftPlus:スケジュール設定、外部ストレージへの保存、管理画面からの復元まで一通りそろっています。迷ったらこれです
- BackWPup:スケジュールと外部保存に対応。細かく設定できるぶん、最初の設定はやや手間です
- All-in-One WP Migration:サイト丸ごとの書き出しと読み込みが簡単。定期の自動バックアップ用ではなく、引っ越しや更新前の手動の控えに向きます。無料版は読み込める容量に上限があります
選ぶときの基準は、次の6つです。
- データベースとファイルの両方を取れるか
- 周期を決めて自動で取れるか
- サーバーの外に保存できるか
- 管理画面から復元できるか(復元がFTP前提のものは、いざという日に手が止まります)
- 差分だけを取ってサーバーに負荷をかけすぎない設定があるか
- 設定画面が分かりやすいか。凝った設定は担当者が変わると引き継がれません
設定の流れも書いておきます。UpdraftPlusを例にすると、やることは4つだけです。
- 「設定」タブで、ファイルとデータベースそれぞれのスケジュールを決める。週1回の更新なら「週ごと」、毎日更新なら「毎日」。保持する世代数は、ここで「4」以上にしておきます(初期値は2で、これでは短すぎます)
- 保存先に、Google DriveやDropboxなど、サーバーの外のストレージを選んで認証する。ここを空のままにすると、サーバー内にしか保存されません
- 一度「今すぐバックアップ」を実行して、保存先のフォルダにファイルが届いていることを目で確かめる
- 数か月に一度、「復元」ボタンの画面まで進んで、世代の一覧が出ることを確認する。実際に戻さなくても、戻せる状態にあることは確認できます
設定にかかるのは初回の30分ほどです。この30分を惜しんで「サーバーが取っているはず」で済ませたサイトを、私は何度も見てきました。
ひとつ注意があります。プラグインでのバックアップは、サーバーの容量とメモリを使います。共用サーバーで大きなサイトを毎日フルバックアップすると、処理が途中で止まって「取れているつもりで取れていない」状態になることがあります。設定したら、ファイルが本当に作られているかを一度確認してください。
3-3 手動。FTPとデータベースの書き出し
プラグインを入れられない事情があるときや、更新前に一時的な控えを取りたいときは、手動で取ります。
- ファイル:FTPソフト(FileZillaなど)でサーバーにつなぎ、wp-content フォルダ(themes・plugins・uploads)をまるごとパソコンへダウンロードする
- データベース:サーバーの管理画面にある phpMyAdmin から、WordPressのデータベースを書き出す(エクスポート)。サーバーのデータベースバックアップ機能があればそれでも構いません
ダウンロードしたものは、日付が分かるフォルダ名で、パソコンとクラウドストレージの両方に置いてください。手動の弱点は「忘れる」ことです。定期の分は自動に任せ、手動は更新前や引っ越し前の臨時用と割り切るのがおすすめです。
4. いつ取るか。定期と「更新の直前」
バックアップを取るタイミングは、定期と臨時の2種類です。
定期の頻度は、サイトの更新頻度で決めます。
- ほぼ更新しない会社案内サイト:月1回。ただし更新の直前には必ず
- 週1〜2回お知らせやブログを更新:週1回
- 毎日更新、ECサイト、予約や会員機能がある:毎日(サーバーの自動バックアップ+外部保存)
臨時で取るのは、次のときです。この「直前」を省くと、戻す先が数日前になり、そのあいだの更新をやり直すことになります。
- WordPress本体、プラグイン、テーマを更新する前
- ページの大きな編集や、デザインの変更をする前
- サーバーの引っ越し、PHPのバージョン変更の前
- 新しいプラグインを入れる前
更新前の手順は、慣れれば3分です。プラグインの「今すぐバックアップ」を押して完了を待つ、サーバーの自動バックアップの最新日時を見て今日の分があるか確かめる、そのうえで更新ボタンを押す。この順番を決めておくだけで、更新で崩れたときの復旧が「数日分をやり直す」から「直前に戻す」に変わります。
もうひとつ、更新は一度に全部ではなく、プラグインを1つずつ当てて表示を確認してください。まとめて当てると、崩れたときにどれが原因か分からず、結局すべて戻すことになります。
→ WordPressのアップデートを簡単に行う方法と注意点
5. 戻すときの手順と、戻せない典型3パターン
バックアップの価値が試されるのは、戻す日です。手順は方法によって違いますが、流れは共通しています。

- 状況を確認する。何が起きたか(真っ白、改ざん、更新で崩れた)と、いつからかを把握する
- 戻す時点を決める。改ざんなら「改ざんされる前」の世代を選ぶ。直近が汚染されていることは珍しくありません
- 復元する。サーバーの管理画面、プラグインの復元機能、または手動でファイルとデータベースを戻す
- 表示、ログイン、フォームの送信を確認する。復元後に設定が古い時点に戻っている場合があります
- 原因をふさぐ。改ざんなら、侵入口(古いプラグイン、弱いパスワード)を直さないと同じことが繰り返されます
症状によって、戻し方の考え方が少し変わります。よくある3つを挙げます。
- 更新したら表示が崩れた、真っ白になった:原因はほぼ直前の更新です。直前に取ったバックアップに戻せば、その場で解決します。戻したあと、崩れの原因になったプラグインやテーマを特定してから、改めて更新してください。バックアップが直前に無い場合は、FTPで該当プラグインのフォルダ名を変えて無効化するのが先です
- 改ざんされた、海外のサイトに転送される:いちばん新しい世代に戻してはいけません。改ざんはたいてい、気づく何日も前に起きています。改ざん前と確信できる世代まで戻り、そのうえでWordPress本体・プラグインを最新にし、管理者のパスワードをすべて変えます。復元だけで終えると、数日後に同じ状態に戻ります
- 記事や画像を誤って消した:サイト全体を戻すと、消した後に追加した内容まで消えます。データベースだけを戻す、あるいはバックアップから該当の記事や画像だけを取り出して入れ直すのが正解です。ここは、プラグインの「部分復元」や手作業の出番です
戻せなかった例に共通するのは、次の3つです。
- 直近の分しか残っておらず、改ざん後の状態で上書きされていた
- サイトと同じサーバーにしか無く、サーバー障害や乗っ取りで一緒に失った
- ファイルはあるが、サーバーやデータベースのログイン情報と手順が分からず、誰も戻せなかった
逆に、バックアップと管理情報がそろっていれば復旧は早く済みます。海外のECサイトに書き換えられ、サーバー会社からは「データをすべて消してください」と言われた事務所がありました。バックアップと管理情報が手元にあったおかげで、当社にご依頼いただいてから半日で復旧し、検索順位も戻りました。同じ改ざんでも、バックアップが無ければ作り直しです。
改ざんや乗っ取りの対処そのものは、別の記事にまとめています。
→ WordPressが乗っ取りにあったら対応する事と対策方法/WordPressの画面が真っ白になったときの原因と対処法/サイバー攻撃から早く復旧するには
6. ソライルの保守では、バックアップをこうしています
参考までに、当社の保守でのバックアップの扱いを書いておきます。
- スタンダードプラン(月額14,300円・税込)以上で、Webサーバー内とデータベースの定期バックアップを行います。基本は月1回・3世代ですが、頻度と世代数はサイトの更新頻度に応じてご相談いただけます
- 当社の推奨サーバーをお使いの場合は、サーバー側で毎日・14世代のバックアップが取られ、これに当社のバックアップが重なります
- WordPress本体・プラグインの更新は、バックアップを取ってから当て、当てた後に表示を確認します。この工程が料金の中身です。万が一、更新の作業が原因で不具合が出た場合は、当社の責任で無償で修正します
- ライトプラン(月額6,600円)はサーバー・ドメインの管理が中心で、バックアップは含まれません。トラブル時に「戻す」対応ができないため、WordPressのサイトはスタンダードプラン以上をお選びください
- トラブル時の対応は、保守契約のお客様を対象に行っています。定期バックアップからの復元(リストア)で直せるものは、保守契約の範囲内で無償です(月2回まで。3回目からは有償)。バックアップからの復元では直らず、手作業でデータの修正や再構築が必要な場合は、費用を先にお伝えし、ご承諾をいただいてから有償で行います
- セキュリティの監視でアラートが出たときの原因調査と対策は、スタンダードプラン以上の月額に含まれます
保守と改善提案の線引きも書いておきます。保守に含まれるのは「止めない・壊されない」ための作業と、お客様の指示に基づく作業代行までです。何を直すべきか、どんなページを作るべきかといったヒアリング・企画設計・改善提案は、別サービスのWeb集客コンサルティングで行っています。
料金と作業範囲は、ホームページ保守・運用管理サービスのページに公開しています。今の保守契約にバックアップが含まれているか分からない方は、契約書を見せていただければ、含まれていない項目を無料でお伝えします。
→ ホームページ保守・運用管理サービス(プラン・料金・よくある質問)/ホームページ保守の費用相場は月いくら?料金の内訳と、安すぎる会社の見分け方/ホームページ保守の完全ガイド
7. WordPressのバックアップ、まとめ
- 守るのはデータベースとファイルの2種類。同じ時点で両方を取る
- 「取っているか」ではなく「戻せるか」。頻度・世代数・保管場所・復元手順・更新前の取得の5条件で確認する
- 取り方はサーバー自動・プラグイン・手動の3つ。サーバー自動を土台に、外部保存を重ねる
- 定期の頻度は更新頻度で決め、WordPressやプラグインの更新前には必ず取る
- 戻す日のために、復元の手順と、サーバー・データベースのログイン情報を1枚にまとめておく
バックアップは、何も起きなければ一度も使わない作業です。だからこそ、取っているだけで安心してしまい、戻せるかどうかは誰も確かめない。何かあった日に結果を分けるのは、その確認をしていたかどうかです。今日この記事を読み終えたら、「いつの時点まで戻せるか」だけでも確かめてみてください。
→ ホームページの管理情報は1枚にまとめる|引き継ぎで困らない6つの項目
よくある質問
Q. バックアップは毎日必要ですか?
更新の頻度によります。毎日更新するサイトやECサイトは毎日、週1〜2回の更新なら週1回、ほとんど更新しない会社案内サイトなら月1回が目安です。ただし、どの頻度でも、WordPress本体やプラグインを更新する直前には必ず取ってください。
Q. サーバーの自動バックアップだけで十分ですか?
土台としては十分ですが、保管場所がサーバー会社側の1か所で、サーバーの契約が切れると一緒に消える点は弱点です。何日分を保管しているか、復元が無料かを確認したうえで、更新が多いサイトはプラグインで外部にも控えを置くことをおすすめします。
Q. プラグインはどれを選べばいいですか?
データベースとファイルの両方を自動で取れて、サーバーの外に保存でき、管理画面から復元できるものを選んでください。迷ったらUpdraftPlusで足ります。設定したら、バックアップファイルが本当に作られているかを一度確認してください。
Q. バックアップから戻したら、最近の記事が消えました
戻した時点より後に追加した記事は、バックアップに含まれていないため消えます。復元の前に、直近の記事や変更を書き出しておくか、戻す時点をできるだけ新しい世代にしてください。改ざんの場合は、改ざん前で最も新しい世代を選ぶことになります。
Q. 保守会社に何を確認すればいいですか?
「いつの時点まで戻せますか」「どこに保管していますか」「復元は月額に含まれますか」の3つです。すぐに答えが返ってくる会社なら、運用の基準を持っています。答えが曖昧なら、バックアップの項目が契約に無い可能性があります。
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