ホームページの管理情報は1枚にまとめる|引き継ぎで困らない6つの項目
公開日:2026.09.16
- Webサイト保守

記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
こんにちは、株式会社ソライル Web集客コンサルタントの波多野です。
「ホームページのログイン情報が、社内の誰にも分かりません」。ご相談のなかで、いちばん多い言葉かもしれません。担当していた社員が辞めた。制作会社と連絡が取れなくなった。前任者のパソコンに書いてあったはずだが、そのパソコンはもう無い。
この状態でも調査から始めれば手は打てますが、正直なところ、一覧が1枚あるかないかで、かかる時間も費用も大きく変わります。ドメインの契約先が分かっていれば数分で済む確認に、何日もかかることがあるからです。
この記事では、何を書いておけばいいのかを項目で挙げます。難しい作業ではありません。1時間あれば埋まります。
なぜ、1枚にまとめるのか
ホームページは、いくつもの契約とアカウントが組み合わさって動いています。ドメインはA社、サーバーはB社、メールはC社、制作したのはD社。作った当時は担当者の頭の中で全部つながっていますが、その人が辞めた瞬間、会社には何も残りません。
契約書が無いのと同じ危うさです。しかも、ホームページの場合は「困ったときに初めて気づく」という性質があります。サイトが止まってから探し始めると、復旧が遅れます。
書いておく項目
1. ドメイン
- ドメイン名
- 登録している会社(お名前.com、ムームードメインなど)
- 管理画面のURL
- 有効期限
- 契約の名義(自社か、制作会社か)
名義は必ず確認してください。制作会社の名義になっていると、関係が切れたときに動かせなくなります。
2. サーバー
- 契約している会社
- 管理画面のURL
- 契約の更新日
- 支払い方法(どのカード、どの口座か)
支払いに使っているクレジットカードの有効期限も一緒に書いておくと、なお安心です。この2つが切れてサイトが止まる話はサイトが消える3か所の期限に書きました。
3. サイト本体
- WordPressなどの管理画面のURL
- 管理者アカウントのID(誰のアカウントが管理者権限を持っているか)
- 使っているテーマの名前
管理者権限を持っている人が誰なのかは、意外と誰も把握していません。辞めた社員のアカウントが管理者のまま残っている、というのもよくある話です。
4. メール
- メールの契約先(サーバー会社と同じとは限りません)
- 使っているアドレスの一覧
- 設定情報の保管場所
サイトとメールで契約先が別、という構成は珍しくありません。片方だけ分かっていても、もう片方で止まります。
5. 外部サービス
- Googleアナリティクス(GA4)、Google Search Console
- SNSの各アカウント
- お問い合わせフォームのサービス
- 予約システム、チャットツールなど
ここで大事なのは、それぞれが誰のアカウントに紐づいているかです。担当者の個人アカウントで作られていると、退職時にまとめて見られなくなります。会社のアカウントに移すか、少なくとも2人が管理者として登録されている状態にしてください。
6. 相談先
- 制作した会社の名前と連絡先
- 保守を頼んでいる会社の名前と連絡先
- 契約の内容と範囲
どこまでが契約の範囲なのかも書いておくと、いざというときに迷いません。確認しておく項目は保守契約で確認する10項目にまとめてあります。
パスワードは、この一覧に書かない
ここだけは注意してください。パスワードそのものを一覧に並べて書くのは避けてください。共有フォルダに置いた一覧が流出すれば、全部まとめて渡すことになります。
現実的なのは、次のどちらかです。
- パスワード管理の専用ソフトを使い、一覧には「どのソフトに保管しているか」だけを書く
- パスワードは別の場所(紙で金庫、など)に保管し、一覧にはその場所を書く
一覧の役割は「どこに何があるかが分かること」です。鍵そのものではなく、鍵のありかを記録するもの、と考えてください。
置き場所と、見られる人
置き場所は、次の2つを満たしてください。
- 少なくとも2人が見られること。1人しか知らない状態は、その人が休んだだけで止まります
- 退職しても消えない場所であること。個人のパソコンや個人のクラウドではなく、会社として管理している場所に置いてください
紙で印刷して金庫に入れておく、という方法も、中小企業では有効です。大事なのは形式ではなく、その人がいなくても会社に残ることです。
やりがちな失敗
- 作ったきり、更新しない。契約先やアカウントは変わります。年に1回、見直す日を決めてください
- 「詳しい人がいるから大丈夫」と考える。その人が辞める日は、たいてい急に来ます
- 制作会社に全部任せて、自社では何も持たない。良い関係が続いている間は問題になりませんが、連絡が取れなくなると打つ手が限られます
ソライルの場合
保守をお引き受けするときは、まずこの棚卸しから入ります。ログイン情報が分からない状態からのご相談も多いので、調査からお手伝いしています。実際、「他社が作ったサイトで、制作会社と連絡が取れない」というご依頼は珍しくありません。
整理した内容は、お客様にもお渡しします。私たちが管理している部分と、お客様の手元に残る部分を分けて書いたものです。保守をやめることになったとしても、その一覧は会社に残ります。
料金と作業範囲はホームページ保守・運用管理サービスのページに公開しています。頼み先ごとの向き不向きはホームページの保守はどこに頼む?をご覧ください。
管理情報の棚卸し、まとめ
- 書く項目は6つ。ドメイン、サーバー、サイト本体、メール、外部サービス、相談先
- ドメインとサーバーは名義と支払い方法まで。外部サービスは誰のアカウントかまで
- パスワードそのものは一覧に書かない。保管場所だけを書く
- 置き場所は、2人以上が見られて、退職しても消えない場所
- 年に1回、見直す日を決める
この1枚があるだけで、担当者が変わっても、業者が変わっても、会社は困りません。逆に無ければ、いつか必ず、探すところから始めることになります。
よくある質問
Q. ログイン情報が今すぐには分かりません。どうすればいいですか?
分かるところから埋めてください。ドメインは「Whois検索」で登録している会社が分かりますし、サーバーは過去の請求書やクレジットカードの明細からたどれることが多いです。それでも分からない部分は、保守会社に調査から依頼できます。
Q. パスワードも一覧に書いておいたほうが早くありませんか?
早いのは確かですが、その一覧が流出したときに全部まとめて渡すことになります。パスワードは専用の管理ソフトか別の場所に保管して、一覧には「どこに保管しているか」だけを書いてください。
Q. 外部サービスが担当者の個人アカウントで作られています。問題ありますか?
問題になります。その人が辞めると、アクセスできなくなるためです。会社のアカウントに移すか、少なくとも別の社員をもう1人、管理者として登録しておいてください。GoogleアナリティクスやSearch Consoleは、管理者を複数登録できます。
Q. どのくらいの頻度で見直せばいいですか?
年に1回で十分です。契約先の変更、担当者の交代、新しく使い始めたサービスなどを反映してください。ドメインやサーバーの更新時期に合わせて確認すると、忘れにくくなります。
管理情報の棚卸しや、分からなくなっている部分の調査もお手伝いできます。お問い合わせからお気軽にご相談ください。
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