ホームページ保守契約の内容とは?契約書で必ず確認する10項目

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記事の監修

IT・WEB集客の専門家

波多野 明仁(Akihito Hatano)

WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。

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こんにちは、株式会社ソライル Web集客コンサルタントの波多野です。

「保守契約は結んでいます。ただ、何をしてもらっているかは、よく分かっていません」。他社さんからサイトを引き継ぐとき、この言葉を本当によく聞きます。契約書はどこかにあるけれど、内容は読んでいない。毎月の請求が来ているから、たぶん何かしてもらっている。そういう状態です。

保守は、うまくいっているあいだは何も起きないサービスです。だから中身を確認しないまま何年も過ぎてしまう。そして、いざトラブルが起きた日に「それは契約に含まれていません」と言われて、初めて範囲を知ることになります。

この記事では、ホームページの保守契約に何が書かれているのか、契約書のどこを見ればいいのかを、10の項目に整理してお伝えします。これから契約する方はもちろん、すでに契約している方が今の内容を確かめるためにも使ってください。

保守契約は「作業の約束」と「状態の約束」でできている

細かい項目に入る前に、考え方をひとつだけ共有させてください。保守契約に書かれていることは、大きく2種類に分けられます。

ひとつは作業の約束です。月に何回更新する、毎週バックアップを取る、プラグインを月次で更新する。やることが決まっていて、やったかどうかが見える約束です。

もうひとつは状態の約束です。サイトが表示され続けている、何かあったときに戻せる、連絡すれば人がつかまる。こちらは何も起きなければ形に残りません。

安い保守契約は、たいてい前者だけで組まれています。決まった作業はするけれど、想定外のことが起きたときに動く約束はしていない。そして実際に困るのは、いつも想定外のときです。契約書を読むときは、この2つのどちらがどこまで書かれているかを見てください。

契約書で必ず確認する10項目

まず全体像です。次の10項目が書かれているかどうかを、契約書に当たってみてください。書かれていない項目があれば、それは「決まっていない」ということです。

  1. 契約期間と自動更新の有無。1年契約なのか月単位なのか、自動で更新されるのか。
  2. 解約の予告期間。何か月前に伝える必要があるか。ここは後で詳しく書きます。
  3. 月額に含まれる作業の一覧。何をしてもらえるのかが、具体的に書かれているか。
  4. 含まれない作業と、その場合の料金。別料金になるものと、その単価。
  5. 対応時間と連絡手段。平日の何時から何時か、電話が使えるか、担当者は誰か。
  6. 障害が起きたときの対応の目安。何時間以内に反応するのか、夜間や休日はどうなるか。
  7. バックアップの頻度と保管期間。いつ取って、何日ぶん残しているか。
  8. 再委託の可否。実際に作業するのが契約相手の会社なのか、別の会社なのか。
  9. データとアカウントの所有と引き渡し。契約が終わったときに何を返してもらえるか。
  10. 責任の範囲と免責。何が起きたときに責任を負い、何は負わないのか。

10項目すべてが完璧に書かれた契約書は、正直なところ多くありません。大事なのは、書かれていない項目を把握して、必要なら口頭ではなくメールで確認を取っておくことです。

このうち、見落とされやすい5つを詳しく

契約書に署名する手 ホームページ保守契約の内容を確認する

10項目のうち、実際にもめる原因になりやすいものを5つ選んで、もう少し掘り下げます。

解約の予告期間

意外と知られていないのが、ここです。3か月前の予告を求める契約は珍しくありません。つまり、今日「来月でやめます」と伝えても、あと3か月ぶんの料金は発生します。

乗り換えを考えはじめたときに、まずここを確認してください。予告期間を知らないまま新しい会社と契約すると、二重で払う期間が生まれます。逆に言えば、予告期間さえ把握していれば、重ならないように時期を組めます

「含まれない作業」の書かれ方

含まれる作業の一覧は、たいていの契約書に書いてあります。問題は、含まれないほうです。

「別途お見積り」とだけ書かれている場合、その金額は頼むときまで分かりません。よくある作業については、単価か時間単価を先に確認しておくと安心です。テキストの修正が1か所あたりいくら、時間単価がいくら、という形で答えてもらえる会社なら信頼できます。

バックアップの保管期間

「毎日取っています」という説明で安心してしまいがちですが、見るべきは頻度ではなく何日ぶん残しているかです。

直近1日ぶんしか保管していない場合、一週間前に起きた改ざんに今日気づいたら、戻す先がありません。すでに改ざんされた状態が上書き保存されているからです。最低でも数週間ぶんは残っているかを確認してください。

再委託。実際に手を動かすのは誰か

契約している会社と、実際に作業する会社が別であることは、業界ではよくあります。それ自体は悪いことではありません。ただ、知らされていない場合は問題です

間に会社が入るぶん、伝言に時間がかかります。緊急時に「確認します」で止まる回数が増えます。また、再委託先が変わったときに引き継ぎが起きていないことがあります。誰が作業するのかは、契約前に聞いておいて損はありません。

アカウントとデータの引き渡し

ここがいちばん大事です。契約が終わったときに、サーバーとドメインの管理権限、WordPressの管理者アカウント、サイトのデータ一式を渡してもらえるか

渡してもらえない契約になっていると、その会社をやめた瞬間にサイトを失います。ドメインが相手名義になっていて取り戻せなかったケース、サーバーの契約が相手名義で解約と同時にデータが消えたケース。どちらも実際にあります。制作会社と連絡が取れなくなったというご相談の多くは、ここが押さえられていません。

「更新1回」でもめないための決め方

保守契約でいちばん多い揉め方が、更新の回数と範囲です。「月2回まで無料」と書いてあっても、その1回が何を指すのかが決まっていないと、必ず食い違います。

たとえば、お知らせを1本追加するのは1回です。では、そのお知らせに写真を3枚入れて、さらにトップページのバナーも差し替えたら、これは1回でしょうか、3回でしょうか。頼む側は1回のつもりで、受ける側は3回と数えている。こういうことが起きます。

おすすめは、回数ではなく時間で決めることです。「月に2時間まで」という決め方なら、作業の中身が変わっても数え方が揺れません。実際、時間で区切っているプランを出している会社も増えています。

時間で決められない場合は、契約前に具体例を3つほど挙げて「これは何回にあたりますか」と聞いてください。ここではっきり答えられる会社は、運用の基準を持っています。

契約書をもらっていない場合はどうするか

机に広げた書類とノートパソコン 保守契約の内容を見直す

「そもそも契約書を交わしていない」という会社も、実は少なくありません。制作のときの見積書に保守費用が並んでいて、そのまま毎月請求が来ている、という形です。

この場合、まずやるべきは相手を責めることではなく、現状を書き出して確認を取ることです。次の3つをメールで送って、返信をもらってください。

  • 毎月の料金に含まれている作業を、箇条書きで教えてほしい
  • サーバー、ドメイン、WordPressの管理情報は、それぞれ誰の名義になっているか
  • 解約する場合、何か月前に伝える必要があるか

メールで残しておくことが大事です。口頭で聞いた内容は、担当者が変わった時点で消えます。返信が来ないようであれば、それ自体が今の関係の答えになっています。

ソライルの場合

参考までに、私たちがどうしているかも書いておきます。ここまで「確認してください」と書いてきた以上、自分たちのことも明かしておくべきだと思うからです。

ソライルでは、多くの場合、弊社の推奨サーバーに引っ越していただきます。このサーバーは弊社が用意し、弊社の名義で契約しているものです。お客様のサイトを、そこに載せる形になります。

なぜ推奨サーバーを使うのか

理由は、世の中で使われているサーバーの多くが、性能もセキュリティも古いまま止まっているからです。5年前、10年前の水準のものは珍しくありません。それでいて、レンタル料が安いわけでもない。スペックが低いのに料金は高い、という組み合わせが実際にあります。

さらに、攻撃を受けやすいサーバー会社というものも存在します。何社ものサイトを引き継いできた経験があるので、どこがそうなのかは見当がつきます。そうしたサーバーを使っているお客様には、引っ越しをおすすめしています。

推奨サーバーにしている理由は3つあります。

  1. セキュリティが強く、常に新しい状態が保たれていること。サーバー自体にも脆弱性は見つかります。対策を続けている会社と、そうでない会社の差は年々開きます。
  2. 表示速度が速いこと。サーバーの性能は、検索順位にも、訪問者がページを離れるかどうかにも影響します。保守の話であると同時に、集客の話でもあります。
  3. 保守がしやすいこと。バックアップを何日ぶん残すか、セキュリティをどう設定するか。こうした細かい調整を自分たちの手で行えます。

支払いが止まると、サイトも止まる

もうひとつ、現実的な理由があります。サーバー代の支払いが滞って、サイトが止まってしまったケースを何度も見てきました。一社二社の話ではありません。

担当者が変わって引き落としの口座が分からなくなった、請求書が別の部署で止まっていた。理由はさまざまですが、結果は同じで、ある日ホームページが見られなくなります。弊社が契約して支払う形にしておけば、これは起こりません。

名義よりも、決まっているかどうか

この記事の前半で、アカウントとデータの引き渡しを確認してくださいと書きました。弊社のやり方は、それと逆に見えるかもしれません。ここは隠さずに書いておきます。

私たちが大事だと考えているのは、名義が誰かということそのものよりも、契約が終わるときにどうなるのかが、最初に決まっていて、お互いに分かっていることです。

弊社の場合、契約が終わるときはサイトのデータをお渡しします。ご自身で他社のサーバーへ移していただいてもかまいませんし、移設の作業を弊社にご依頼いただくこともできます。後者の場合は別途費用をいただきます。データを抱えたまま返さない、ということはしません

ドメインについては、場合によって変わります。すでにお持ちのものをそのまま使うこともあれば、弊社で取得して管理することもあります。どちらになるかも含めて、ご契約の前にお伝えします。聞かれてから答えるのではなく、こちらから先にお話しします。

作業の範囲と料金は、ホームページ保守・運用管理サービスのページに公開しています。月額の目安については、ホームページ保守の費用相場にも金額帯ごとにまとめました。会社選びの基準は保守会社の選び方に書いています。

今の保守契約の内容が分からない、あるいは読んでも判断がつかないという場合は、契約書を見せていただければ、何が足りていないかをお伝えします。乗り換えをすすめるためではありません。今のままで問題なければ、そう申し上げます。

そもそもどこに頒むかを迷っている段階であれば、ホームページの保守はどこに頒む?4つの選択肢と向き不向きもあわせてご覧ください。

ホームページ保守契約の内容、まとめ

最後に要点を整理します。

  • 保守契約には作業の約束と状態の約束がある。安い契約は前者だけで組まれていることが多い
  • 確認すべきは10項目。契約期間、解約予告、含まれる作業、含まれない作業と単価、対応時間と連絡手段、障害時の対応、バックアップ、再委託、データとアカウントの引き渡し、責任の範囲
  • とくに見落とされやすいのは、解約の予告期間バックアップの保管期間、そしてアカウントの引き渡し
  • 解約予告が3か月前という契約は珍しくない。乗り換えを考えたら、まずここを確認する
  • 更新の回数は、回数ではなく時間で決めると食い違いが起きにくい
  • 契約書が無い場合は、含まれる作業、名義、解約予告の3点をメールで確認して記録に残す

保守契約は、読み返す機会がほとんどない書類です。ただ、そこに書かれていることが、何かあった日の結果を決めます。今日この記事を読み終えたら、契約書がどこにあるかだけでも確認してみてください。見つからないのであれば、それが最初に手を付けるところです。

よくある質問

Q. 保守契約書を交わしていませんが、問題ありますか?

すぐに困るわけではありませんが、範囲が決まっていない状態なので、トラブルが起きたときに双方の認識がずれます。まずは含まれる作業、サーバーとドメインの名義、解約予告の期間の3点をメールで確認し、返信を保存しておいてください。それだけでも、口頭のやり取りよりずっと安全になります。

Q. 解約したいのですが、予告期間が分かりません

契約書か、契約時の見積書、申込書を確認してください。それでも見つからない場合は、相手の会社に直接聞くことになります。1か月前から3か月前までが一般的な範囲です。新しい会社との契約は、この期間が分かってから決めると、二重払いを避けられます。

Q. 保守の範囲に「デザイン変更」は含まれますか?

多くの場合、含まれません。文字や写真の差し替えは保守の範囲でも、レイアウトを変える、ページを追加する、機能を足すといった作業は制作の扱いになり、別途の見積もりになるのが一般的です。境目が曖昧だと感じたら、具体例を挙げて事前に確認しておくと安心です。

Q. 契約している会社と、実際に作業する会社が違っても大丈夫ですか?

それ自体は問題ありません。業界では珍しくない形です。ただし、伝言に時間がかかることと、再委託先が変わったときに引き継ぎが起きないことがある点は知っておいてください。緊急時にどのくらいで動けるのかを、契約前に確認しておくとよいです。

Q. 今の保守会社に不満はないのですが、契約書を見直す必要はありますか?

不満がないのであれば、急いで変える必要はありません。ただ、サーバーとドメインの名義が誰になっているかだけは確認しておくことをおすすめします。関係が良好なうちであれば、詮索ではなく単なる事務手続きとして進められます。

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