VPSとレンタルサーバー、会社のホームページにはどちらがいい?|制作会社にVPSを勧められたときに確かめる5つのこと【2026年版】
公開日:2026.11.02
- Webサイト保守
- ホームページ制作/リニューアル

記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
こんにちは、株式会社ソライルの波多野です。
ホームページを作るときに、制作会社から「表示が速いので、VPSにしましょう」と勧められることがあります。
VPSは、1台の機械を仮想的に区切り、OSや設定を自分専用で使えるサービスです。
自由に設定できる反面、レンタルサーバーならサーバー会社が受け持つ更新や安全対策を、借りた側が自分で行います。
その作業を続ける人と手順が決まっていないまま使うと、更新されない古いサーバーが、長いあいだ動き続けることになります。
この記事では、Webが専門ではない経営者・ご担当者の方に向けて、次のことを順番にご説明します。
- VPSとレンタルサーバーで、誰が何を管理するか
- 「VPSのほうが速い」は本当か
- 制作会社にVPSを勧められたときに確かめる5つのこと
- レンタルサーバーでも、自社でやること
1. VPSとレンタルサーバーで、誰が何を管理するか
いちばん大きな違いは、サーバーの面倒を誰が見るかです。
| レンタルサーバー(共用) | VPS | |
|---|---|---|
| サーバーの使い方 | 1台のサーバーを、何社かで分け合う | 1台の機械を仮想的に区切り、OSや設定を自分専用で使う |
| OS・サーバーのソフトの更新 | サーバー会社が行う | 借りた側が行う |
| 不正アクセスへの備え(ファイアウォールなど) | サーバー会社が用意し、管理画面でオン・オフする | 借りた側が一から設定する |
| バックアップ | 自動で取る機能が付いていることが多い | 自分で仕組みを作るか、別料金の機能を申し込む |
| 設定の自由度 | 決められた範囲で選ぶ | ほぼ自由に決められる |
| 必要な知識 | 管理画面の操作ができれば足りる | サーバーを管理する専門の知識が要る |
VPSを提供しているさくらインターネットも、VPSについて「OSのセキュリティパッチ適用やミドルウェアの構築・更新など、すべての保守作業を自分で行う必要があります」と説明しています。
レンタルサーバーについては、OSの更新や安全対策、機械の見張りは事業者が行う、と書いています。
つまり、VPSを選ぶということは、サーバーの管理の仕事を自社か制作会社が引き受けるということです。
2. VPSで、借りた側が受け持つ作業
VPSを使うと、次のような作業が借りた側の仕事になります。
| 作業 | 内容 | 止まると起きること |
|---|---|---|
| OSの更新 | サーバーの土台になるソフトの修正を入れる | 知られた弱点が残り、外から入られやすくなる |
| サーバーのソフトの更新 | Webサーバー・PHP・データベースなどを新しくする | 古い版のまま、修正が出なくなる |
| 入口の設定 | ファイアウォール、管理用の接続(SSH)の設定 | 総当たりのログインを受け続ける |
| バックアップ | 毎日取る仕組みと、戻す手順を用意する | 壊れたときに戻せない |
| 見張り | 止まっていないか、容量が足りているかを見る | 止まっても誰も気づかない |
| 証明書の更新 | SSL証明書を自動で更新する設定 | 期限が切れ、警告の画面が出る |
どれも、一度設定すれば終わりではなく、毎月続ける作業です。
作った当時の担当者が辞めたり、制作会社との契約が終わったりすると、誰も触らないサーバーが残ってしまいます。
3. 「VPSのほうが速い」は本当か
「VPSは自分専用なので、ほかの利用者の影響を受けない」と説明されることがありますが、そうとは限りません。
VPSは、OSや設定は自分専用でも、機械そのものは、ほかの利用者と分け合っていることが多くあります。
たとえば、さくらのVPSは約款で、CPU・ネットワーク・ストレージなどの設備は「複数の利用者の共有として提供されます」と定めています。
共有のプランでは、同じ機械のほかの利用者の使い方しだいで、速さが変わることがあります。
CPUやメモリを専有できるプランを別に用意している会社もあり、そうしたプランなら、アクセスがとても多いサイトや、重い処理をするシステムで、速さの差が出やすくなります。
ただ、会社のホームページや集客のためのブログでは、今のレンタルサーバーで十分なことがほとんどです。
たとえばエックスサーバーは、速い記憶装置(NVMe SSD)や、同時のアクセスに強いWebサーバー(nginx)を標準で使っています。
新しいサーバーでは、アカウントごとにCPUとメモリの量を保証する仕組み(リソース保証)もあり、ほかの利用者の影響を受けにくくしています。
ホームページが遅いときの原因は、サーバーより、次のようなことのほうが多くあります。
- 写真が大きすぎる
- 使っていないプラグインがたくさん入っている
- テーマの作りが重い
- WordPressやPHPの版が古い
これらを直さないままVPSへ移しても、思ったほどは速くなりません。
遅さの原因の見分け方は、関連記事「サーバーのプランを上げればホームページは速くなる?」でご紹介しています。
4. 制作会社にVPSを勧められたときに確かめる5つのこと

VPSが悪いわけではありません。
大切なのは、VPSの管理を、誰がどこまで続けるかが決まっているかです。
勧められたら、次の5つを聞いてみてください。
1. なぜVPSなのか
「速いから」だけなら、レンタルサーバーでは足りない理由を聞きます。
アクセスの数や、動かす仕組みなど、具体的な理由があるかを確かめます。
2. OSやサーバーのソフトの更新は、誰が、どのくらいの間隔で行うか
「制作会社が毎月行う」のように、担当と間隔がはっきりしているかを見ます。
「何かあれば対応します」という答えだけでは、ふだんの更新はされないことがあります。
3. バックアップは取っているか、戻したことはあるか
バックアップを取っている場所と、残している日数を聞きます。
あわせて、実際に戻す手順を確かめたことがあるかも聞きます。
4. 止まったとき、誰が気づいて、誰に連絡が来るか
サーバーの見張りをしているか、止まったときの連絡先はどこかを聞きます。
夜や休みの日に止まったときの扱いも確かめます。
5. 管理の費用は、毎月の料金に含まれているか
サーバーの管理を、制作の費用や毎月の保守の料金に含めているかを確かめます。
制作会社との契約が終わったときに、サーバーの管理を誰に引き継ぐかも聞いておきます。
5つの答えがはっきりしていれば、VPSを管理し続ける体制があると言えます。
答えがあいまいなら、レンタルサーバーで、更新と安全対策をきちんと続けるほうが、会社にとって安全です。
5. VPSが向いているのは、こんなとき
VPSが合うのは、次のような場合です。
- 自社で作った業務のシステムや、特別なソフトを動かす
- アクセスがとても多く、ほかの利用者の影響を避けたい(この場合は、CPUやメモリを専有できるプランかを確かめます)
- レンタルサーバーでは使えない設定が、どうしても必要
この場合も、サーバーを管理する人と手順が決まっていることが前提です。
社内に担当者がいない場合は、サーバーの管理まで受け持つ会社に任せる形にします。
6. レンタルサーバーでも、自社でやること
レンタルサーバーにすれば、すべてサーバー会社が見てくれるわけではありません。
| サーバー会社が行うこと | 自社(または保守の会社)が行うこと |
|---|---|
| OS・サーバーのソフトの更新 | WordPress本体・プラグイン・テーマの更新 |
| 機械の見張りと、障害の対応 | PHPの版を、修正が続いている版に切り替える |
| 自動バックアップ(付いているプランの場合) | バックアップが取れているかを確かめ、戻し方を知っておく |
| 安全のための機能の用意(WAFなど) | 安全のための機能をオンにし、管理画面のログインを守る |
エックスサーバーでは、毎日の自動バックアップ(Web・メールのデータとデータベースを、それぞれ過去14日分)や、Webサイトへの攻撃を防ぐWAFの機能が用意されています。
ただし、WordPressの中身の更新は、借りた側の仕事のままです。
サーバーの種類より、毎月の確認と更新が欠かさず続いているかのほうが、ホームページの安全を左右します。
レンタルサーバーで、サーバー会社と自社の受け持ちの分け方は、関連記事「サーバー保守・サーバー管理とは」でくわしくご紹介しています。
7. ソライルの保守での対応
ソライルのホームページ保守は、レンタルサーバー(共用)で動いているホームページが前提です。
VPSで動いているホームページは、基本的にお受けしていません。
OSの更新など、サーバーの管理まで含めると、受け持つ範囲が広すぎるためです。
安全の面からも、サーバーを管理する人と体制がない場合は、VPSはあまりおすすめできません。
保守のプランでは、スタンダードプラン以上で、WordPress本体・プラグインの管理、セキュリティの管理、定期のバックアップを毎月行っています。
ライトプランは、サーバーとドメインの管理が対象です。
ソライルはお客様に2つのことをお約束しています。
毎月、必ずサイトを確認します。
毎月、月次報告をメールにてお送り致します。
月次報告はスタンダードプラン以上が対象で、ライトプランではオプションで追加できます。
8. まとめ
- VPSは自由に設定できる反面、OSやサーバーのソフトの更新、安全対策を借りた側が行う
- 会社のホームページの遅さは、写真やプラグインが原因のことが多く、VPSに移すだけでは速くならない
- VPSを勧められたら、理由・更新の担当と間隔・バックアップ・止まったときの連絡・管理の費用の5つを聞く
- 会社のホームページは、レンタルサーバーで十分なことがほとんど。VPSは、管理を続ける人と体制がある場合だけにする
- レンタルサーバーでも、WordPress本体・プラグイン・PHPの更新は自社か保守の会社の仕事
「今のサーバーのままでよいか、見てほしい」と思われたら、ソライルの無料サイト健康診断をご利用ください。
フォームにURLを入れて送っていただくだけで、通常1営業日以内に、メールで所見をお返しします。
営業のお電話はいたしません。
毎月の更新と確認を任せたい方は、ホームページ保守サービスのページもご覧ください。
関連記事
- サーバー保守・サーバー管理とは|仕事内容と費用相場、レンタルサーバーで自社がやること
- サーバーのプランを上げればホームページは速くなる?|上げる前に確かめる5つと、上げて効くケース【2026年版】
- ホームページがときどき重い・開かない原因は共用サーバー?見分け方
- ホームページの仕組みをやさしく解説|ドメイン・DNS・サーバー・SSL・メールの関係と、どこが止まると何が起きるか【経営者向け】
- WordPressに適したレンタルサーバーの比較ポイント
よくある質問
Q. 今、VPSで動いているホームページは、すぐに移したほうがよいですか?
A. すぐに移す必要はありません。
まず、OSやサーバーのソフトの更新が、誰の手で続いているかを確かめます。
続いていれば、そのまま使えます。
誰も触っていないなら、管理を任せる先を決めるか、レンタルサーバーへの移転を考えます。
Q. 制作会社に「VPSのほうが安全です」と言われました。本当ですか?
A. OSや設定がほかの利用者と分かれている点では、そう言える面もあります。
ただし、安全かどうかは、更新と設定が続いているかで決まります。
更新されていないVPSは、レンタルサーバーより危ないこともあります。
Q. レンタルサーバーにすれば、セキュリティ対策は要りませんか?
A. サーバーの土台はサーバー会社が守りますが、WordPressやプラグインの更新は借りた側の仕事です。
ホームページが書き換えられるときは、更新されていないプラグインや、推測されやすいログインのパスワードが入口になることがよくあります。
Q. VPSかどうかは、どうやって分かりますか?
A. サーバーの契約の名前や、毎月の請求の明細を見ます。
「VPS」「仮想専用サーバー」と書いてあれば、VPSです。
分からないときは、制作会社に「サーバーの種類と、管理しているのは誰か」を聞いてみてください。
Q. レンタルサーバーで、アクセスが増えたらどうなりますか?
A. 多くのレンタルサーバーには、上のプランがあり、管理画面から切り替えられます。
アクセスが増えてから考えても、間に合うことがほとんどです。
関連記事







