使っていない旧サイト・デモサイトの削除|バックアップしてから消す手順
公開日:2026.11.02
- Webサイト保守
- WordPress

記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
サーバーに残っている使っていないサイト(旧サイト、デモサイト、終わったキャンペーンやセールのページ)は、バックアップを取ってサーバーの外に保管したうえで、サーバーからは消すのがおすすめです。誰も見ていないサイトは更新が止まりやすく、同じサーバーにある本番のサイトの弱点にもなるからです。
まずやることは、サーバーの中にあるサイトを書き出して、それぞれを今も使っているかを確かめることです。
やってはいけないのは、バックアップを取らずに消すことと、ファイルを消しただけで片づいたと思うことです。データベース(記事や設定の入れ物)や、サブドメイン(本番とは別のアドレス)の設定は、別に残ります。
ソライルでも2026年10月に、自社のサーバーのデモサイトを棚卸しして、使っていないものをまとめて閉じました。保守でお預かりしているお客様のサーバーでも、使っていないデモサイトを削除しました。きっかけは、サーバー会社から届いた、バックアップのプラグイン(WordPressにあとから足す機能)についての注意喚起です。
使っていないサイトが危ない理由
公開をやめたつもりのサイトでも、サーバーに置いてあるかぎり、インターネットから届くことがあります。
更新が止まる
WordPressは、本体やプラグインを更新して弱点をふさぎます。使っていないサイトは、この更新から外れがちです。お客様のデモサイトも、本番を写して作ったあと、プラグインの多くが古いまま止まっていました。
誰も見ていないので、気づくのが遅れる
デモや旧サイトは誰も開かないので、書き換えられても気づくきっかけがありません。セキュリティ会社のSucuriも、忘れられたサイトは攻撃の入り口になりやすい、と書いています(Sucuriの解説(英語))。
同じサーバーアカウントの本番まで届く
同じ解説には、同じサーバーアカウント(契約1つ分のサーバー)の中にあるサイトどうしは、たがいのファイルを書き換えられる作りになっていることが多い、ともあります。1つのサイトから入られると、隣の本番まで手が届くおそれがあります。使っていないサイトを消すのは、本番を守るためでもあります。
お客様のサーバーで、デモサイトを消すことにした理由
2026年10月19日、バックアップのプラグイン「UpdraftPlus」の運営元が、不正なアクセスを受けたと公表しました。外部の管理画面「UpdraftCentral」とサイトをつなぐ接続キー(合い鍵のようなもの)などが入った顧客のデータベースに、アクセスされたと考えているとのことです。運営元は同じ日に、古い接続キーを無効にするバージョン(無料のものは1.26.13、有料のものは2.26.13)を出しています(TeamUpdraftのお知らせ(英語))。
エックスサーバーも10月20日に注意喚起を出し、UpdraftCentralを使っている場合は接続キーを削除して作り直すよう案内しています(エックスサーバーのお知らせ)。保守でお預かりしているお客様のサーバーにも、プラグインが最新でなかったため、サーバー会社のほうでプラグインを止めた、という知らせが届きました。
調べると、そのサーバーには、以前に本番を写して作ったデモサイトがありました。デモではこのプラグインが有効のまま残り、ほかのプラグインも多くが古いままで、ログインできる人の顔ぶれも本番と同じでした。両方で見覚えのない管理者やプラグインがないことを確かめ、本番は更新しました。デモはもう使っていないため、守り続けるより消すほうが確かだと判断しました。UpdraftPlusを使っているサイトは、バージョンが1.26.13(有料のものは2.26.13)以上になっているかも確かめておくと安心です。
消してよいかの見分け方
次のどれかに当てはまれば、消す候補です。
- 新しいサイトに移ったあと、古いほうを誰も更新していない(旧サイト)
- 制作や改修の確認のために作り、本番の公開が終わっている(デモサイト、テスト用のサイト)
- 期間が終わったキャンペーンやセールのページで、もう受付をしていない
- 何のためのサイトか、社内の誰も説明できない
まだ試しに使っているかもしれないデモは、すぐには消さず、公開されない場所へ移して、使う人がいないかを確かめてから決める方法もあります。ソライルの棚卸しでも、すぐ閉じるものと、持ち主に確かめてから決めるものに分けました。
キャンペーンのページは、外からのリンクや検索から人が来ていれば、関連するページへ転送する選び方もあります。終わったあとの扱いは「WordPressでLP(ランディングページ)を作る方法と注意点」に書いています。
消す前に、バックアップをサーバーの外へ
消す前に、ファイルとデータベースの両方をバックアップし、パソコンや決まった人だけが開ける保管場所など、サーバーの外に置きます。サイトの全データが入ったファイルがサーバーに残ると何が困るかは「WordPressの移行・復元後に残るファイル」に書きました。
サーバー会社の自動バックアップは、長くは残りません。エックスサーバーの場合、自動バックアップは基本が過去14日分で、完全さは保証されないため、自分でのバックアップも勧めています(2026年10月時点、エックスサーバーの自動バックアップ)。取り方は「WordPressのバックアップ」にまとめています。
ソライルの棚卸しでは、消すデータベースをすべて書き出し、ファイルが壊れていないことと、中身がそろっていることを確かめてから、消す手順に進みました。
ファイルのほかに片づけるもの
ファイルを消しても、次のものは別に残ることがあります。
- データベース:記事や設定をしまっておく入れ物です
- データベースのユーザー:データベースに出入りするための名前とパスワードです
- サブドメインやドメインの設定:本番とは別のアドレスでサイトを見せるための設定です
- SSLの設定:そのアドレスの通信を守る、証明書の設定です
- メールアドレス:キャンペーンの受付用に作ったアドレスや、転送の設定です
- cron(クロン):決まった時刻に自動で動く処理の設定です
たとえばエックスサーバーの「WordPress簡単インストール」の削除では、データベースとそのユーザーなどを一緒に消すかを「関連データ削除」の欄で選びます(2026年10月時点、エックスサーバーのマニュアル)。チェックを入れずに進めると、データベースは残ります。
WordPressのユーザーは、データベースを消せば一緒に消えます。ただ、本番を写して作ったデモは、本番と同じユーザーとパスワードで入れることがあります。長く放っておいたデモを見つけたときは、消したあとに本番のパスワードも変えておくと安心です。
ソライルの棚卸しでも、サイトを閉じたあとに、データベースとそのユーザーの片づけが別に残りました。どのサイトにもつながっていないデータベースも見つかりました。名前だけでは本番のものと見分けにくいので、どのサイトが使っているかを1つずつ照らし合わせています。
消したあと、検索結果に残っていたら
消したサイトが、しばらく検索結果に出ることがあります。Googleは、恒久的に消すには、ページが「見つからない」(404)か「削除済み」(410)を返す状態にするよう案内しています。急ぐときは、Search Console(Googleが用意しているサイト管理の画面)の削除ツールで一時的に隠せます。効果は約6か月です(Search Consoleヘルプ)。
サイト全体を隠すときは、「このプレフィックスで始まるURLをすべて非表示」(プレフィックスはURLの先頭部分のこと)を選びます。サブドメインは本番とは別扱いで、そのアドレスを含むプロパティ(Search Consoleでの登録)が要ります。ドメイン全体で登録したものなら、サブドメインも含まれます(Search Consoleヘルプ)。ページごとの消し方は「削除したページが検索結果に残っているときの消し方」に書いています。
消すと、保守が軽くなる
使っていないサイトを消すと、サーバーの容量が空き、バックアップの時間も短くなり、更新や点検をするサイトの数も減ります。毎月のことなので差が出ます。プラグインも同じ考え方で、使っていないものを減らすと管理が楽になります(WordPressのプラグイン棚卸し)。
ご自分でできること、任せること
ご自分でできること
- サーバーの管理画面で、ドメインとサブドメインの一覧を見て、知らないアドレスがないか確かめる
- WordPressを入れた一覧の画面に、使っていないサイトがないか見る
- 見つけたサイトを開いて、何のためのものか、社内で使っている人がいないかを聞く
任せたほうがよいこと
- どのデータベースが、どのサイトのものかを見分ける
- バックアップを取り、そのファイルから戻せることを確かめる
- 消したあと、本番が今までどおり動くかを確かめる
本番のデータベースと名前が似ていることがあるので、削除のボタンは、どれが何かを確かめられる人が押すのが安心です。何が残っているか分からないときは、ソライルの無料サイト健康診断で、今のサイトの心配な所とサーバーの契約の状態をお伝えしています。
頼むときの文例
いつもお世話になっております。
サーバーの中に、今は使っていないサイト(旧サイトやデモサイトなど)が残っていないかを確かめていただけますか。
残っていれば、バックアップを取ってサーバーの外に保管したうえで、データベースや設定も含めて片づけていただけると助かります。
消してよいか迷うものは、先にご相談ください。
消すまでが、サイトを終える作業
サイトは、作るときより終えるときのほうが忘れられがちです。バックアップを外に置いてから、ファイル、データベース、設定まで片づける。そこまでで、サイトを終えたことになります。
今回の注意喚起でも、保守でお預かりしているサーバーに、使っていないサイトが残っていないかを確かめました。「使っていないサイトが残っているか分からない」という方は、ホームページ保守のページから、無料サイト健康診断をお申し込みいただけます。サーバーの中まで見る必要があれば、そのときにご案内します。
よくある質問
Q. デモサイトにパスワードをかけてあれば、残しておいてもよいですか?
A. パスワードをかけると、外から中身は見られにくくなります。ただ、ファイルやプラグインはサーバーに残るので、更新の手間は続きます。使う予定がなければ、バックアップを取ってから消すことをおすすめします。
Q. 消したあとで、やはり必要になったら戻せますか?
A. サーバーの外に取っておいたバックアップがあれば、戻せます。サーバー会社の自動バックアップは残る期間が短いので、消す前に、ご自分の控えがあるかを確かめてください。
関連記事







