WordPressの移行・復元後に残るファイル|プラグイン別の片づけ方
公開日:2026.10.31
- Webサイト保守
- WordPress

記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
WordPressの引っ越しや復元が終わったら、表示を確かめたうえで、使ったプラグインの片づけの機能で、作業用のファイルを消してください。サーバーに残ったファイルには、サイトの全データが入っていることがあるからです。
まずやることは、管理画面で、使ったプラグインから警告が出ていないか、バックアップの一覧に古い控えが残っていないかを見ることです。
やってはいけないのは、片づける前にプラグインを削除することと、サーバーのファイルを名前だけで判断して手で消すことです。プラグインを削除しても、プラグインが作ったファイルは消えないことがあります。
先日も、保守でお預かりしているサイトで、バックアップのプラグインで復元したあとのファイルが、サーバーの中に残っているのを見つけて片づけました。サイトは問題なく動いていても、作業のために作られたものは、片づけるまで残ります。
作業のあとにファイルが残る理由
引っ越しや復元のプラグインは、作業の途中で、おもに次の3つをサーバーの中に作ります。
- バックアップの圧縮ファイル:サイトのファイルと、データベース(記事や設定をしまっておく入れ物)を、1つにまとめたものです
- インストーラー:新しいサーバーで圧縮ファイルを広げ、サイトを組み立てるためのプログラムです
- ログ:作業の途中経過を書き残した記録です
どれも作業には必要なものです。残ってしまうのは、たとえば次のような場合です。
- 作業の最後にある片づけの手順を、飛ばしてしまった
- 作業が途中で止まってやり直したため、前の分が残った
- 復元のとき、元に戻せるように、前の状態を取っておく作りになっている
- プラグインを削除すれば、一緒に消えると思っていた
最後の点は、見落としやすいところです。Duplicatorの公式の案内には、プラグインを削除しても、インストール用のファイルは自動では消えない、と書かれています(Duplicatorの公式ドキュメント)。プラグインと、プラグインが作ったファイルは、別々に残るということです。
残っていると、何が困るのか
バックアップの圧縮ファイルには、サイトの中身がまとめて入っています。記事や画像だけでなく、データベースの中身も含まれます。お問い合わせの内容をサイトに保存している場合や、会員の情報を扱うサイトなら、その情報も入っています。作り方によっては、WordPressがデータベースにつなぐためのユーザー名とパスワードを書いた設定ファイルも含まれます。
こうしたファイルが、インターネットから開ける場所に置かれたままだと、外から持ち出されるおそれがあります。
インストーラーには、別の心配があります。もう一度動かされると、サイトを書き換えられるおそれがあるのです。Duplicatorの公式の案内も、公開の場所に残ったインストール用のファイルはインターネットから届いてしまい、攻撃の入り口として知られている、としています。実際に2018年には、作業のあとに残ったインストール用のファイルを使って、サイトの設定ファイルにプログラムを書き込めてしまう弱点が報告され、バージョン1.2.42で直されました(CVE-2018-17207)。
ログも、外から読まれてよいものではありません。BackWPupは、ログのファイル名を推測されにくくする修正や、バックアップのフォルダを外から開けないようにする守りを最初から有効にする変更をしています(BackWPupの更新履歴)。
プラグインによっては、こうした守りの仕組みを入れています。それでも、要らなくなったファイルは置いておかないのがいちばんです。気づいた時点で、案内どおりに片づけてください。
主なプラグインの公式の案内
よく使われている4つのプラグインについて、公式のドキュメントと更新履歴で、作業のあとの片づけに関わる案内を確かめました(2026年10月時点)。公式に書かれているものだけを載せています。
| プラグイン | 残りやすいもの | 公式の片づけの機能 |
|---|---|---|
| Duplicator | インストール用のファイルと圧縮ファイル | ログイン時に自動で消す設定、管理画面からの削除 |
| All-in-One WP Migration | サーバーの中に保存したバックアップ | 「バックアップ」の画面からの削除 |
| UpdraftPlus | 復元の前の状態を取っておいたフォルダ | 復元のあとの「Delete old folders」のボタン |
| BackWPup | サーバーのフォルダに保存したバックアップ | 残す数を決めると、古いものから自動で消える |
Duplicator
サイトを別のサーバーへ移すときによく使われるプラグインです。公式の「インストール後のチェックリスト」では、サイトが正しく動くことを確かめたら、インストール用のファイルを消すように、としています(Checklist After Installation)。
消し方は4つ案内されています。インストールの最後に、ログインしたら自動で消す設定をオンにしておく。管理画面に出る案内から消す。プラグインのツールの画面から消す。サーバーのファイルを手で消す。最初の3つは、プラグインの画面だけで済みます。ファイルが残っていると、管理画面に警告が出ます。
All-in-One WP Migration
サイトを1つのファイルに書き出し、別のサイトで読み込む形のプラグインです。公式のユーザーガイドによると、プラグインの「バックアップ」の画面に並ぶものは、サーバーの中のプラグイン用のフォルダに保存されています。同じ画面の「削除」で、そのフォルダから消せます(All-in-One WP Migration User Guide)。
読み込みが終わったら自動で消える、という案内は、公式のガイドには見当たりませんでした。引っ越しの前と後の両方のサーバーで、「バックアップ」の画面に要らないファイルが並んでいないかを見て、あれば消してください。ガイドには、書き出すファイルにパスワードをかけられることも書かれています。
UpdraftPlus
定期のバックアップによく使われるプラグインです。復元のあと、前の状態のフォルダが残る作りになっていて、公式の更新履歴には、復元のあとに出る「Delete old folders」(古いフォルダを消す)のボタンについての記載があります(UpdraftPlusの更新履歴、バージョン1.24.5)。復元したサイトの表示を確かめてから、このボタンで片づけます。
作業中の一時ファイルは、24時間をすぎると自動で消える、と公式のドキュメントにあります(Does UpdraftPlus leave temporary files behind?)。外部のクラウドに送ったあと、サーバーの中の控えを消すかどうかの設定は、詳しい設定(エキスパート設定)の中にあります(同じ更新履歴、バージョン1.25.3)。
BackWPup
保存先を、サーバーの中のフォルダと外部のクラウドから選べるプラグインです。公式のプラグインページでは、1か所だけに頼らず、複数の場所に同時に保存できることを案内しています(BackWPup)。
サーバーのフォルダに保存する場合は、残す数(Max backups to retain)を決めておくと、数を超えたときに古いものから自動で消えます(How to save backups to a folder)。また更新履歴によると、安全のため、バックアップとログのフォルダは、決まったフォルダの外には置けないようにしています(バージョン4.0.2)。
片づけの考え方
プラグインが違っても、考え方は同じです。
作業が終わった日に、プラグインの機能で片づける
引っ越しや復元が終わり、表示とお問い合わせフォームを確かめたら、その日のうちに片づけます。サーバーのファイルを手で消すより、プラグインの片づけの機能を使うほうが安全です。消してよいものを、プラグインのほうで選んで消してくれるからです。
移行のプラグインは、片づけてから停止・削除する
引っ越しのためだけに入れたプラグインは、終わったら停止して削除します。このとき順番があります。片づけのボタンはプラグインの画面にあるため、先に削除するとボタンも使えなくなります。片づけ、停止、削除の順です。停止と削除の違いは「WordPressのプラグイン棚卸し」に書いています。
定期のバックアップは、サーバーの外に置く
定期のバックアップを続けるプラグインは、保存先を外部のクラウドにして、サーバーの中には残さないか、残す数を決めておく形をおすすめします。サーバーが使えなくなったときに一緒に失わないためでもあります。取り方や戻し方は「WordPressのバックアップ|「取っている」で終わらせず、戻せる形にする方法」に、サーバーの中にたまったバックアップの整理は「レンタルサーバーの容量がいっぱいになったら」に書いています。
サーバーに置くなら、外から開けない状態に
どうしてもサーバーの中に置く場合は、インターネットから開けない場所か、開けないように守られた状態にします。ただ、置ける場所はプラグインによって決まっていて、BackWPupのように、決まったフォルダの中に限ったうえで守りを付けているものもあります。その守りが今のサーバーで働いているかは、管理画面からは分かりにくいので、保守会社に見てもらうと安心です。
パソコンにダウンロードした控えも、同じように扱う
引っ越しのときにパソコンへダウンロードしたバックアップも、サイトの全データが入っていることがあります。メールに添付して回したり、だれでも見られる共有フォルダに置いたりせず、置き場所を決めて保管するか、要らなくなったら消します。
ご自分でできること、任せること
ご自分でできること
管理画面だけで、次のことができます。
- 移行やバックアップのプラグインから、警告が出ていないかを見る
- 使ったプラグインの画面で、バックアップの一覧に古い控えが並んでいないかを見る
- 片づけのボタンや「削除」で、要らないものを消す(ほかに控えのないバックアップは消さない)
- 引っ越しのためだけに入れたプラグインを、片づけたあとに停止し、削除する
- 定期バックアップの保存先が、外部のクラウドになっているかを設定の画面で見る
月に1回の点検に入れておくと、忘れにくくなります。管理画面でできる点検の項目は「WordPressのセキュリティを自分でチェックする」にまとめています。
保守会社やサーバー会社に頼むこと
- サーバーのファイルの中を見て、作業用のファイルが残っていないかを確かめる。プラグインの一覧に出ないファイルもあり、Duplicatorにも、一覧に出ない残りのバックアップを消すための機能があります(Duplicator Toolsの案内)
- 残っていたものが消してよいものかを見分けて、片づける
- バックアップの置き場所が、外から開けない状態かを確かめる
- 長く残っていた場合に、アクセスログ(サイトにだれがいつ来たかの記録)で、外から取りに来た跡がないかを見る。記録が残っている期間はサーバーによって違うので、サーバー会社に聞く
- 心配が残る場合に、データベースや管理者のパスワードを変える
サーバーのファイルを直接消すのは、ご自分ではしないほうが安心です。名前が似ているだけで、サイトに必要なファイルということがあります。
サーバーの中まで見るのが難しいときは、ソライルの無料サイト健康診断で、今のサイトのどこに心配があるかをお伝えしています。
頼むときの伝え方
保守会社に頼むときは、いつ、どのプラグインで、何をしたかを伝えると、話が早く進みます。そのまま使える文例を2つ置いておきます。
引っ越しが終わったあとに頼むとき
いつもお世話になっております。
〇月〇日に、(プラグインの名前)を使って、サイトを新しいサーバーへ移しました。表示は問題なく見えています。
作業のときのファイルがサーバーに残っていないかを確かめ、残っていれば片づけていただけますか。
あわせて、バックアップの保存先が、外から開けない状態になっているかも見ていただけると助かります。
前の作業の片づけが分からないとき
いつもお世話になっております。
以前、(プラグインの名前)で復元をしましたが、作業のあとに片づけをしたかどうか覚えていません。
作業用のファイルが残っていないか、残っていた場合は外から取りに来た跡がないかを、確かめていただけますか。
費用がかかる場合は、先にお知らせください。
片づけまでが、引っ越しと復元の作業
引っ越しや復元は、サイトが表示された時点で終わりに見えます。けれども、作業のために作ったものを片づけるまでが、ひとつの作業です。プラグインの案内どおりに片づけ、サーバーの中は保守会社に確かめてもらう。おすすめは、この順番です。
ソライルの保守でお預かりしているサイトでは、こうしたファイルを見つけたら、中身を確かめたうえで片づけています。「前に移行のプラグインを使ったけれど、片づけたか覚えていない」という方は、ホームページ保守のページから、無料サイト健康診断をお申し込みいただけます。
よくある質問
Q. 作業用のファイルが長く残っていました。もう取られているのでしょうか?
A. 残っていたことと、取られたことは別です。外から取りに来た跡があるかは、サーバーのアクセスログで確かめられる場合があります。記録が残る期間はサーバーによって違うので、気づいたら早めに、保守会社かサーバー会社に相談してください。
Q. 次の引っ越しでも使うので、移行のプラグインは入れたままでよいですか?
A. 使い終わったら、片づけてから停止し、削除することをおすすめします。使っていないプラグインも、ファイルはサーバーに残り、更新の手間も続きます。次に使うときは、入れ直せば使えます。
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