WordPressの管理画面に会社からだけ入れない原因と解除の頼み方
公開日:2026.10.29
- Webサイト保守
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記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年以上。大学生の頃に約50サイトを制作・運営して収益化。ITシステム開発会社でSEを6年間経験したのち独立。東証プライム企業をはじめ、これまでに4,000サイト以上を改善。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウを、クライアント企業のWEB集客に活かしている。1年でアクセス数が715倍になった企業、売上が25倍になった企業など、法人実績多数。
サイトは見られるのに、会社のネットからだけWordPressの管理画面に入れないときは、サーバー会社の自動の守りが、会社の回線のIPアドレスを止めていることがあります。
まず、スマホをWi-Fiから外し、モバイル回線で管理画面を開いてみてください。そちらで入れるなら、止められているのは会社の回線と考えられます。サーバーの契約者か保守会社に頼めば、守りを残したまま戻せます。
急いでいても、サーバーの守りの機能を丸ごとオフにしたり、パスワードを何度も試したりはしないでください。
どの守りで止まっているのか分からないときは、ホームページのトラブル対応のページから、症状だけ伝えていただければ調べます。
保守でお預かりしているサイトでも最近、「会社のネットからだけ管理画面に入れない」というご相談がありました。サイトそのものは表示されていて、調べると、サーバー会社の守りの仕組みが、会社の回線のIPアドレスを止めていました。症状は似ていても、止めている仕組みによって戻し方が変わります。
ログイン画面そのものが出ない、パスワードが通らない、といった場合は、原因が別のことが多いので、「WordPressのログイン画面が表示されない原因と直し方」と「WordPressにログインできない場合の解決方法と注意点」をご覧ください。
回線のせいかどうかを見分ける
回線で止められているかどうかは、回線を替えて同じ画面を開くと分かります。いちばん手軽なのは、スマホのWi-Fiを切り、モバイル回線で管理画面を開くことです。反対に、会社のWi-Fiにつないだスマホでも入れないなら、パソコンの不具合ではなく、回線のほうだと考えられます。
| 見えている様子 | 考えられること |
|---|---|
| サイトは見られる。会社の回線だと管理画面やログイン画面だけ「拒否」や「403」が出る。モバイル回線なら入れる | 会社の回線のIPアドレスが、サーバーの守りで止められている |
| 管理画面には入れるが、記事の保存など特定の操作のときだけ止まる。回線を替えても同じ | WAF(攻撃に似たアクセスを止める仕組み)が、ふつうの操作を攻撃と見誤っている |
| どの回線でも入れない | 回線の問題ではない。ログインそのもののトラブルを疑う |
| サイトそのものも見られない | サーバーの障害や契約の問題など、別の原因を疑う |
どの場合も、出ている画面の文字と、気づいた時刻をメモしておくと、あとの話が早くなります。画面の写真やスクリーンショットでも十分です。エックスサーバーでは「WordPress管理画面へのアクセスが拒否されました」と出ることがあり、公式のよくある質問で原因と対処が案内されています(エックスサーバーのよくある質問)。
WAFの見誤りは、403エラーの原因のひとつです。403エラー全体の見分け方は「403エラー(Forbidden)の原因と解決方法」にまとめています。
会社の回線のIPアドレスを調べる
IPアドレスは、インターネットにつながる回線ごとの番号です。会社の中のパソコンやスマホは、外から見ると1つのIPアドレスでつながっていることが多くあります。回線ごとに止める仕組みでは、社内の誰か一人のログインの失敗が重なると、同じ回線を使う全員が入れなくなることがあります。
解除を頼むときは、この番号を伝えます。調べ方は次の通りです。
- 会社のネットにつないだパソコンで、IPアドレスを表示するだけのサイトを開きます。たとえば「確認くん」は、開くだけで今の回線のIPアドレスを表示します。
- 「IPv4」と「IPv6」の2つの欄がある場合は、出ているものを両方メモします。回線によっては片方しか出ません。
- パソコンの設定画面に出る「192.168.」などで始まる番号は、社内だけで使う番号です。サーバー会社に伝える番号とは別のものです。
確認のサイトは、開いて見るだけで使えます。名前やパスワード、メールアドレスを入れるよう求められたら、そのサイトは使わないでください。社内にネットワークの担当者がいれば、その人に聞くのがいちばん確かです。
IPアドレスは、広く公開するものではありません。伝える相手は、保守会社とサーバー会社にとどめてください。
サーバー会社の主な守りの仕組み
どのサーバー会社も、管理画面を狙う攻撃を止める仕組みを用意しています。会社から入れなくなったときに関わるのは、主に「国外からのアクセスを止める仕組み」「ログインの失敗が続いたら止める仕組み」「WAF」の3つです。以下は、各社の公式マニュアルで2026年10月時点の内容を確かめたものです。
エックスサーバーの「WordPressセキュリティ設定」
サーバーパネルの「WordPressセキュリティ設定」で、ドメインごとに次の機能を切り替えられます(WordPressセキュリティ設定のマニュアル)。
- 国外アクセス制限:国外のIPアドレスと、海外の主なクラウドサービスが持つ国内のIPアドレスから、管理画面とログイン画面へのアクセスを止めます。初期設定はオンです。マニュアルには、国内のIPアドレスが海外と誤って判定され、制限される場合があると書かれています。よくある質問でも、国内からでも回線によっては同じ制限がかかることがある、と案内されています。
- ホワイトリスト(許可リスト):国外アクセス制限の中で、許可するIPアドレスを登録できます。2025年6月から使えるようになりました(エックスサーバーのお知らせ)。
- ログイン試行回数制限:短い時間に続けてログインに失敗すると、アクセスを止めます。制限は24時間後に自動で解除されます。初期設定はオンです。
- コメント・トラックバック制限:コメント欄への大量の書き込みや、国外からの書き込みを止める機能です。管理画面に入れない件とは別のものなので、設定を見るときに取り違えないようにします。
この設定を変えられるのは、サーバーの契約者です。契約者でない方は、契約者か保守会社に頼むことになります。
ロリポップの「海外アタックガード」と「WAF」
海外アタックガードは、海外のIPアドレスから、管理画面などの攻撃されやすいページへのアクセスを止める機能です。ドメインごとに有効と無効を切り替えられ、ロリポップは有効のまま使うことを勧めています。海外からふつうにサイトを見ることはできます(海外アタックガードのマニュアル)。
WAFは、ユーザー専用ページの「WAF設定」で切り替えます。「ログ参照」で、止めたアクセスの記録を見られます。ただし、ハイスピードプランとエンタープライズプランでは、この記録は見られません(WAFの設定方法のマニュアル)。
さくらのレンタルサーバの「国外IPアドレスフィルター」と「WAF」
国外IPアドレスフィルターは、国内のIPアドレスの一覧に入っていないところからのアクセスを止めます。WordPressの管理画面などで止められると、「403 Forbidden」の画面が出ます。マニュアルには、国内からのアクセスでも、まれに一覧に入っておらず制限される場合があると書かれています。そのときは「接続許可IPアドレスリスト」に登録するか、機能を無効にして対応します。サーバーのコントロールパネル自体は、このフィルターの対象外です(国外IPアドレスフィルターのマニュアル)。
WAFは、攻撃と判断したアクセスを止める仕組みで、特定の地域だけを止めることはできません。止めた記録は、前日の分が表示されます(WAFのマニュアル)。
WAFは「回線」より「操作」で止まる
エックスサーバーのマニュアルでも、WAFは攻撃に似た中身を含むアクセスを見つけて拒否する仕組み、と説明されています(WAF設定のマニュアル)。見ているのはアクセスの中身なので、回線を替えても同じ操作で止まるなら、WAFを疑います。回線を替えると入れるなら、国外アクセス制限やログイン試行回数制限のほうが先に疑われます。
なお、サーバーではなく、サイトに入れたセキュリティのプラグインが、ログインの失敗を数えて止めている場合もあります。こちらはWordPressの中の設定です。
自分でできること、任せること
自分でできるのは、ここまでです。
- モバイル回線なら入れるかを確かめる
- 出ている画面の文字と時刻を控える
- 会社の回線のIPアドレスを調べる
- 社内で、直前にログインを何度か失敗した人がいないか聞く。ブラウザに古いパスワードが保存されたままだった、ということもあります
ログインの失敗が原因で、急ぎの更新がないなら、エックスサーバーのログイン試行回数制限のように、時間がたつと自動で解除されるものもあります。その間に、パスワードを正しいものに直しておきます。
サーバーの設定を変えること、許可するIPアドレスを登録すること、WAFの記録を見て除外することは、サーバーの契約者か保守会社に任せるのがおすすめです。設定を誤ると、守りが弱くなったまま気づかないことがあるからです。
解除を頼むときに伝えること
保守会社やサーバー会社に頼むときは、次のことを伝えると、どの守りで止まっているかをすぐ調べられます。
- サイトのアドレス
- いつから入れないか
- どの画面で、何という文字が出るか(画面の写真があれば添える)
- モバイル回線なら入れるか
- 会社の回線のIPアドレス(IPv4とIPv6の両方が出ていれば両方)
- 直前にログインの失敗や、パスワードの変更がなかったか
- 会社の回線が、固定のIPアドレスの契約かどうか(分かれば)
保守会社あての文例です。そのまま使えます。
件名:管理画面に会社のネットからだけ入れません
いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
本日10時ごろから、会社のネットからWordPressの管理画面に入れなくなりました。ログイン画面を開くと「WordPress管理画面へのアクセスが拒否されました」と出ます(画面の写真を添付します)。
サイトは表示されていて、スマホのモバイル回線からなら管理画面に入れます。
会社の回線のIPアドレスは、IPv4が〇〇〇、IPv6が〇〇〇です。固定のIPアドレスの契約かどうかは、確認中です。
社内で、昨日パスワードを何度か間違えた者がいるかもしれません。
守りの設定は残したまま、会社から入れるようにしていただけますでしょうか。
サーバー会社に直接問い合わせるときは、契約者の名前で問い合わせます。エックスサーバーのように、設定を変えられるのが契約者だけのところもあるためです。不具合の伝え方全般は「ホームページの不具合を相談するときの伝え方」にまとめています。
やってはいけないこと
- 守りの機能を丸ごとオフにして、そのままにする。エックスサーバーも、ログイン試行回数制限をオフにするのは一時的にとどめ、作業のあとはオンに戻すよう案内しています。国外アクセス制限も、ふだんはオンのまま使うよう勧めています。
- 「国外と判定されるから」と、国外アクセス制限をオフにして済ませる。オフにすると、海外からのログインの試みも通るようになります。会社の回線だけを許可リストに登録する形のほうが、守りを残せます。
- 許可するIPアドレスを、必要以上に広い範囲で登録する。会社以外の回線まで通ってしまいます。
- 思い出せないパスワードを何度も試す。ログイン試行回数制限に当たる原因になります。
- モバイル回線で入れたからと、理由を確かめないまま使い続ける。社内の誰かのログインの失敗なのか、誤った判定なのかが分からないままだと、また止まります。
「守りを残したまま入れるようにしたい」というときは、ホームページのトラブル対応からご相談ください。どの守りで止まっているかを確かめ、戻し方をご説明します。
固定のIPアドレスでない回線は、番号が変わることがある
許可リストに会社のIPアドレスを登録しても、それで終わりとは限りません。固定のIPアドレスを契約していない回線では、つなぎ直したときなどにIPアドレスが変わることがあります。ロリポップの解説でも、一般的な自宅の回線はつなぐたびに番号が変わる「動的IP」で、登録した番号が数日後には使えなくなることがある、と書かれています(ロリポップのIPアドレス制限の解説)。
会社の回線が固定のIPアドレスの契約かどうかは、回線の業者かプロバイダに聞くと分かります。固定でない場合は、IPアドレスを許可リストに登録する形が合わないことがあります。そのときの守り方は、保守会社と相談して決めるのがおすすめです。
事務所の移転や、回線・プロバイダの乗り換えでも、IPアドレスは変わります。同じ解説では、使わなくなったIPアドレスを許可リストに残すと、その番号がいずれ別の誰かに割り当てられるおそれがある、とも書かれています。回線を替えたときは、古い番号を消すところまでを一続きの作業にしておくと安心です。
入れないときの順番
- モバイル回線なら入れるかを確かめる
- 画面の文字と時刻を控え、会社の回線のIPアドレスを調べる
- 社内でログインの失敗がなかったかを聞く
- 保守会社かサーバーの契約者に、守りを残したまま戻してもらう
- 回線を替えたときは、許可リストの番号も直す
サーバーの守りは、ふだんは目に見えず、止められて初めて気づくものです。ソライルの保守では、サーバー・ドメイン・WordPressをまとめてお預かりしているので、「会社から入れない」とひとこと連絡をいただければ、サーバー会社への確認まで含めて、相談先が1つで済みます。今のサイトがどんな状態か気になる方は、無料のサイト健康診断で、外から見える範囲を確かめることもできます。
会社の回線から入れなくなっても、サイトが壊れたとは限りません。止めている仕組みが分かれば、守りを残したまま入れるように戻せます。
よくある質問
Q. 止められたIPアドレスは、待てば解除されますか?
A. 仕組みによります。エックスサーバーのログイン試行回数制限は、24時間後に自動で解除されます。一方、国外アクセス制限のように、回線を国外と判定して止めている場合は、待っても戻らないことが多く、許可リストへの登録が必要です。
Q. スマホのモバイル回線からなら入れます。このままでも困りませんか?
A. 当面の更新はできますが、会社の回線が止められた理由が分からないままだと、また止まることがあります。社内でログインの失敗がなかったかを確かめたうえで、保守会社かサーバーの契約者に、会社の回線を通すよう頼んでください。
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