オウンドメディアにおけるKPIの役割と正しい設定方法
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記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年。学生時代に50サイトの制作・運営を行い収益化を達成。その後、ITシステム開発会社にてSEを6年間経験し独立。東証プライム企業をはじめ4,000サイト以上を改善してきた実績あり。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウをクライアント企業のWEB集客に活かし、日々活躍中。1年でアクセス数が715倍に増加した企業や、売上が25倍に増加した企業など、法人クライアントの実績多数。
こんにちは。株式会社ソライル WEB集客コンサルタントの波多野です。
オウンドメディアで収益を上げていくためには、オウンドメディアでどのような指標を定めてKPIとして設定するかがとても重要です。
とはいえ、オウンドメディアのKPIはただ設定すれば良いというものではなく、正しい指標で、なおかつ達成可能な数値である必要があるなど考慮すべき項目があるため、運営しているオウンドメディアの事業内容によってしっかりと設定すべきKPIを見極めることが大切です。
今回は、オウンドメディアを立ち上げる際、あるいは立ち上げた後でもまだ設定していないのであれば、今からでも必ず設定すべきKPIについて解説します。
目次
KPIとは
さっそく「KPI」とは何か、さらに「KPI」がなぜ重要なのかについて解説します。
KPIとはプロセス指標
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略です。
日本語に訳すと、「重要業績評価指標」という意味で、オウンドメディアが最終的に目指すゴール指標ではなく、ゴールを目指す途中過程の中間指標のことを指します。
ちなみに、オウンドメディアの最終ゴールとなる指標は「KGI」と言いますが、これについては後程解説します。
KPIは、ゴールを目指す途中の指標なので、例えばゴールを目指すために必要なPV・UU・セッション数・問い合わせ数・SNSシェア数といった数値などが設定されることが多いです。
KPIの設定指標は、オウンドメディアの特性やゴール内容によって異なります。
それぞれのKPI数値が達成できなければ、最終ゴール目標数値も達成できない可能性が高いため、どのようなKPIを設定するか、そして、どのような数値を設定するかはとても重要となるのです。
オウンドメディアにおいてのKPIの重要性
前述したとおり、オウンドメディアにおいてKPIの設定はとても重要です。
KPIを設定していなければ、最終的なゴールとなる目標数値もどのように目指せば良いのかがあいまいになります。
身近なところでダイエットの例に置き換えて考えて見るとわかりやすいかもしれません。
例えば、体重が80キロある人が、半年後に50キロの体重を目指す場合、6ヶ月で30キロ体重を減らす必要があります。
半年の間に30キロを減らすためには、1ヶ月ごとに5キロの減量が必要になります。その場合、半年間どのように食事や運動をコントロールするかについて計画的にメニューを組み立てて行う場合と、適当な食事制限で行う場合とでは、計画的に行う場合の方が明らかに実現可能です。
つまり、やるべきことと指標を決めて、細かく確認するために重要な役割を果たすのがKPIということになります。
オウンドメディアは会社の資産となる今や欠かせない販促ツールですが、立ち上げてすぐに効果が出るものではありません。目標とするゴールを達成するにも時間がかかります。
途中過程の成果がわかりやすいKPIを設定することで、各ポジションが身近なところで達成すべき項目や数値が目に見えてわかるため、担当ごとのモチベーションを保つ役割も果たします。
さらにKPIであれば、試した施策の効果をすぐに確認することができるため、オウンドメディアの改善施策などを行う際にも日頃からしっかりと数値をとっておくことで結果が明確にわかりやすく、PDCAを回す際にも活かしていくことができるというメリットもあるのです。
オウンドメディアでの効果的なKPI設定
まず、オウンドメディアでKPIを設定する際に大切と言えるのが「SMART」と呼ばれる5つのポイントについてきちんと設定しているかどうかというものがあります。
「SMART」は、以下の内容を指します。
S=Specific/明確であるか:自分だけでなく、他メンバーから見ても明確な指標であるか
M=Measurable/測定可能であるか:掲げた内容・数値が一定周期で測定できるか
A=Achievable/達成可能であるか:現実的に達成しうる内容になっているか
R=Relevant/KGIとの関連性があるか:ゴール目標などとの関連性があるか
T=Time-bound/期限が設けてあるか:達成までの期限が設けてあるか
オウンドメディアのKPIは、上記5つのポイントを意識して設定することが大切です。
それぞれ5つのポイントを具体的に見ていく前に、達成したい最終的ゴールの設定についても押さえておきましょう。
KPIの前にKGIを設定する
前述のとおり、KPIは、そのオウンドメディアで達成したい最終的ゴールを達成するための途中過程における中間指標となります。
そのため、KPIを設定するためには、まず大前提となる最終ゴールの目標設定が必要です。
これを「KGI」と言います。KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語訳では「重要目標達成指標」となります。
オウンドメディアでは、このKGIを達成するために、どのようなアクションが必要か、途中工程でどのような数値を達成する必要があるかを決めていきます。
例えば、
・オウンドメディアでの■■年度の商品売上高目標を●●万円とする
・オウンドメディアでのサービス利用者を■■月までに●●万人とする
といったように、具体的に、期限付きで設定することが重要です。
KGIから逆算してKPIを設定する
KPIを設定する際は、最終的なゴールであるKGIを設定したうえで、そこから逆算して設定します。例えば、
・オウンドメディアでのサービス利用者を■■月までに●●万人とする
がKGIである場合、そのために必要なKPIが何かを考え設定していくということです。
オウンドメディアのサービス利用者を達成するためには、新規ユーザーとの接点を増やす必要があるため、「新規ユーザーのUU数」を増やす必要があります。
これがKPIの一つとなるということです。
この他にもKPIとして設定しなければいけない指標は色々ありますが、このKPIを設定する上で役立つのが「KPIツリー」です。
KPIツリーは、ゴール目標であるKGIに対し、トップダウン式に必要なKPIをツリー状に図解したものなので、視覚的に誰が見ても分かりやすく、整理がしやすくなるのであわせて活用してみるのもおすすめです。
メディア特性に応じたKPIを設定する
KPIは、運営しているオウンドメディアの特性を加味した指標である必要があります。
商品販売を行っているオウンドメディア、サービス提供を行っているオウンドメディア、記事コンテンツの提供を行っているオウンドメディアなど、そのオウンドメディアで行っているサービス特性により設定するKGIは異なるため、そのKGIを達成するためのKPIもそれぞれに異なってくるでしょう。
例えば、最終的なKGI目標が「オウンドメディアでの■■年度の商品売上高目標を●●万円とする」だった場合、そのために必要なKPIは、
PV/UU/SNSシェア数/CV
などが一般的ですが、この他にも、「1回あたりの購入額」や「月毎のリピート率」といったKPIも設定し施策を行うことができるかもしれません。
一方、最終的なKGI目標が「オウンドメディアでのサービス利用者を■■月までに●●万人とする」だった場合、そのために必要なKPIは、
PV/UU/SNSシェア数/CV
など、基本的なKPIは上記と変わりませんが、例えばこの他にも「月もしくは日毎のログイン数」「月もしくは日毎の動画の再生数」といった指標をKPIとして設定し数値を伸ばしていくことでKGIに寄与するかもしれません。
KGIを達成する上で、どのタイミングでどのようなKPIが必要かをオウンドメディアの特性とあわせて見極めることで、より効果的な指標を設定することができるでしょう。
短期スパンだけではなく中長期KPIも設定する
オウンドメディアは、サービスを開始したからと言ってすぐに効果が出るものではありません。
長期にわたり継続的に効果測定を行いながら改善を繰り返していくことで、求めるKGIを達成することにつながっていくのです。
もしも短期スパンでのKPIしか設定していない場合、結局途中でサービスを終了してしまうことになってしまうという企業は少なくありません。
オウンドメディアは長期戦になることは間違いないため、経営者をはじめ、関わるメンバーが中長期的に共通の目標意識を持ち進めていくことが重要なのです。
KPIは期限設定も行う
何かを達成する上で、期限設定はとても重要です。
これは、オウンドメディアにおけるKPIでも例外ではありません。
KGI、KPIの期限を設定することで、いつまでに何をやらなければいけないかのアクションプランをより明確に決められるようになるので、一層効果的な目標設定を行うことができるのです。
オウンドメディアでKPIを設定する際に気を付けるべきポイント
オウンドメディアのKPIを効果的に設定する際の基本ポイントについてご紹介しましたが、次に、KPIを設定する際に必ず注意しておくべきポイントについてご紹介します。
明確なKPIを設定する
KPIを設定する上で最も重要なのは、誰が見ても違う解釈をすることがない明確な内容であることです。
KPIをざっくりとした内容にしてしまうと、その項目についての効果測定の方法も人により異なってしまう可能性があるため、目指すべきKPIがどれなのかがわからなくなります。
どのような数値を目指すのか、その数値を算出するために見るべき指標はどこなのかを明確にしておきましょう。
KPIを設定する際は、その数値を算出するための式もあわせて明示しておくことで、人ごとに解釈が異なるといった可能性を排除できるのでおすすめです。
無理なKPI設定はしない
KPIを設定する上で、どう考えても達成することが不可能なKPIは設定しない、ということも大切です。
このパターンでよくあるのは、トップダウンで降りてきた数値をそのまま設定せざるを得ない状況にあるといった場合です。
会社の経営にも関わるKGIを達成するために、高いKPI指標を求めるのは理解できますが、達成が不可能なKPIはメンバーモチベーションも下げ、KGIを達成する上で何の役にも立ちません。
そのため、KPIを設定する際は、頑張れば届く実現が不可能ではない内容を設定することが大切です。
逆に言えば、少し頑張れば容易に達成できてしまうようなKPIも、メンバーの士気を下げてしまうのであまり良いとは言えません。
現実的なKPIでありながらも、知恵を絞ってギリギリ実現できるかどうかといった絶妙な内容や数値での設定が重要です。関わるメンバーの能力やスケジュール、割くことが出来るコストなど複合的な要素を踏まえた上でプロジェクトメンバーで話し合った上で決めるのが良いでしょう。
そもそも無理なKGIを設定することも、この場合でいうと避けるべきです。もしもKGIも達成不可能な数値を設定しているのであれば、期限とあわせて見直しを行うべきかもしれません。
具体的な役割とセットで設定
KPIを達成するためには、誰がいつどのような役割を担って施策を実施していくかも重要となります。
各メンバーがきちんとKPIを把握し、いつまでに何をするべきかを明確に分担しましょう。
また、途中過程で進捗が遅れていて達成できていないKPIがあれば、メンバー間でしっかりと把握してフォローすることも大切です。
オウンドメディアのKPIは設定後のPDCAも重要
前述してきたとおり、オウンドメディアは立ち上げたからと言ってすぐに効果が見込めるものではありません。オウンドメディアで効果を上げていくには、立ち上げた後のPDCAがとても重要です。
PDCAとは、
Plan:計画 → Do:実行 → Check:確認 → Action:改善
のことで、この4つのサイクルを継続的に回し続けることで、成功へと繋げていくことができる可能性が高くなります。
KPIは、施策を計画して実行し、その効果を確認して、成果がでなければ改善を行うということを繰り替えしていくことが必要で、これを行い続けることでKPIを達成し、その先のKGIを達成できるのです。
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→オウンドメディアとは?意味や目的、作る際に重要なことを解説!
オウンドメディアにおけるKPIの役割と正しい設定方法まとめ
オウンドメディアのKPIについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。KPIについてよくわからないという人でも、その重要性については理解できたのではないかと思います。
オウンドメディアは残念ながら何の知識もない人がゼロから始めるには、かなりの労力と時間を要するものです。とはいえ、自社の資産となる大切なコンテンツを、ただ他社に丸投げしてもうまくはいきません。
自社のことを最もよく知る社員と、オウンドメディアの知識を持ち合わせているプロとがタッグを組んで作り上げていくことで、より良いオウンドメディアを創り上げることに繋がると言えるでしょう。
もしも自分たちでオウンドメディアの作成を行う自信がない、KGIやKPIについてどのようなものを設定すればよいかわからないという場合は、ソライルにご相談ください。
ソライルでは、オウンドメディアの立ち上げアドバイスや、作成のお手伝いなどを行っていますので、まずは気軽にお問い合わせください。
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