カスタマージャーニーマップの作成方法と便利ツール紹介
- Web集客コンサルティング
記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年。学生時代に50サイトの制作・運営を行い収益化を達成。その後、ITシステム開発会社にてSEを6年間経験し独立。東証プライム企業をはじめ4,000サイト以上を改善してきた実績あり。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウをクライアント企業のWEB集客に活かし、日々活躍中。1年でアクセス数が715倍に増加した企業や、売上が25倍に増加した企業など、法人クライアントの実績多数。
こんにちは。株式会社ソライル、Webコンサルタントの波多野です。
自社のサービスや商品企画を考える際に耳にすることが多い「カスタマージャーニーマップ」ですが、具体的にどのような目的のもと、どのように作成を行えばいいのかよくわからないという方も多いでしょう。
今回は「カスタマージャーニーマップ」について、その目的とメリット、具体的な作成方法について解説します。
また、カスタマージャーニーマップを作成する際に使うと便利なツールもあるので、あわせてご紹介します。
目次
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、自社のサービスや商品をユーザーが利用する際にどのような行動をとり、また、それに伴う思考や感情がどのように変化していくかを時系列でまとめて可視化したものを指します。
ここで重要なのはユーザーの「行動」だけを見るのではなく、「思考や感情」といった気持ちの部分も適切に定義づけてセットで考えるという点です。
ユーザーが何か行動を起こす際、そこには必ずなんらかの「感情」が伴うため、「行動」と「感情」は必ずセットで考えなくてはいけません。
カスタマージャーニーマップを作成することにより、ユーザーの最初のタッチポイントからゴールまでの全体像を把握しやすくなるため、商品やサービスをユーザーが求める適切なタイミングで提供することができるようになります。
ちなみに、カスタマージャーニーマップを作成するには、まず「ペルソナ設定」を行う必要があります。
「ペルソナ」とは、自社の商品やサービスを購入、または利用してくれる具体的な人物像のことを指します。
「ペルソナ設定」を行った後に、そのペルソナがどのタイミングで商品やサービスにタッチし、購入や利用といった体験につなげていくのが適切かを定義していくため、実際に利用するユーザーが本当に必要としているタイミングで必要なものを提供できるのでユーザー満足度を向上させる効果が高くなります。
そしてその結果、自社が設定しているゴールに行きつく確率(CV)を向上させることができるというわけです。
「ペルソナ」について詳しく知りたいという方は、下記ページで解説しているので、ぜひ合わせてお読みください。
あわせて読みたい
→すぐに活かせる!ペルソナ設定を行う具体的な方法と注意点
カスタマージャーニーマップを作成するメリット
カスタマージャーニーマップを作ると、ユーザー視点が整理され、プロジェクトの進行に大いに役立ちます。
ここでは具体的にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
ユーザーの行動や感情を客観的に可視化することができる
前述したとおり、カスタマージャーニーマップを作成することにより、ユーザーの行動や感情を可視化することができるようになります。
これにより、ユーザーがいつどのタイミングで自社の商品やサービスを必要とするかの仮設立てを根拠に基づき行うことができます。
すると、どのタイミングでどんなマーケティング施策を行えばユーザーにとって適切であるかが見えてくるため、お互いにとって有益な関係を構築していくことができるようになるのです。
これは非常に重要なことで、ユーザーにとっては欲しいタイミングで欲しいものを知る・手にすることができ、企業側は適切なタイミングでマーケティング施策を投じることができるようになるため、無駄な時間や費用を抑えて売り上げやユーザー登録数といった求める目標を達成していくことができるのです。
また、ユーザーの行動パターンと思考・感情を全体で把握することで、あらたな商品やサービスの開発、サイトの機能改善や追加といった発展的施策を進めていくことにも役立ちます。
プロジェクト内で共通認識をもつことができる
カカスタマージャーニーマップを作成する際は制作チームだけではなく、営業や開発、場合によってはクライアントなど、組織を横断して様々な視点から意見を出し合い作成を行うことで、現状を正しく把握し共通認識をもつことが出来るようになるため、プロジェクトの進行も早くなるというメリットがあります。
ペルソナやカスタマージャーニーマップをいくら精度高く仕上げても、プロジェクトメンバー内での足並みが揃っていなければ正しい進行はできないので、全員が同じ課題認識をもち、同じゴールを目指していくことはとても重要なことです。
スタマージャーニーマップを作成することにより、施策を検討する際の精度は格段に上がるので施策の納得度合いも高く、メンバーの意識向上にもつながるでしょう。
プロジェクト課題の優先度を正しく判断できる
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの課題がどのタイミングで、どんな内容で出てくるのかが明確になるため、必然的にプロジェクトの課題も明確になります。
それにより、どの課題を解決することがよりインパクトがあるのかがわかるため、プロジェクト課題の優先順位も正しくジャッジできるようになります。
プロジェクト課題を解決する上で、施策を行うタイミングやスピード感を意識することはとても重要なので、カスタマージャーニーマップは結果にいち早くつなげる上でも欠かせないマーケティング施策と言えるでしょう。
カスタマージャーニーマップが必要になった理由
カスタマージャーニーマップの必要性は理解できたけれど、なぜこんなにも必要性を謳われるようになったのでしょうか。
それには大きく2つの要因があると考えられています。
スマホの普及による行動パターンの多様性
一つはスマホの普及です。
今や持っていない人を探す方が難しいくらい、スマホの世帯普及率は上がっています。そしてこのスマホの普及はこれまでのマーケティング施策の概念を大きく変えなければいけない事象となりました。
スマホを使えばいつでもどこでもインターネットにアクセスができるため、ユーザーとの接点が一層多様化したと言えます。
そのためこれまでの手法ではユーザーの行動を把握することが難しく、適切なマーケティング施策を打つことができなくなったのです。
また、スマホの普及によりユーザーとの接点はホームページだけではなく、TwitterやInstagramなどのSNSや、YouTubeといった動画など利用アプリやサービスも多角化しています。
このため、より一層ペルソナを細かに設定し、カスタマージャーニーマップで全体像を把握する必要が出てきたというわけです。
高度な解析が可能になった
二つ目は解析ツールの高度化があげられます。
Googleアナリティクスといった代表的なアクセス解析ツールからもわかるように、無料の解析ツールでも驚くほど細かなユーザーの行動解析を行うことができるようになりました。
これにより、仮説を立てて行った施策がその仮説通りに結果を残せているか、あるいはうまくいっていないポイントがある場合それはどこなのかなどを解析ツールを使用して確認することができるため、トライ&エラーを行いやすくなり、成果にもつなげやすくなったのです。
仮説は正しい根拠であればあるほど成果につながりやすいのは言うまでもありません。そのため、ユーザー行動や感情をより把握しやすくするためのカスタマージャーニーマップが必要になったと言えるでしょう。
カスタマージャーニーマップの作成方法
それではさっそくカスタマージャーニーマップの作成方法をご紹介します。
課題や目標を確認
カスタマージャーニーマップを作成したいと思うのは、何かしら課題や問題を抱えているからだと思います。
まずはその課題や目指すべき目標について書きだしましょう。
カスタマージャーニーマップを使って解決していきたい課題や目指すべき目標がメンバー内で共通であることも大切なので、現時点で見えている課題と設定している目標について再確認を行うことが大切です。
ペルソナ設定
次にペルソナ設定を行います。
ペルソナは、前述したとおり自社の商品やサービスを購入、または利用してくれる具体的な人物像のことを指します。カスタマージャーニーマップの作成の基盤となる部分なので、ペルソナ設定は非常に大切です。
ペルソナ設定の仕方がわからないということは、下記ページで具体的にご紹介していますので参考にしてください。
あわせて読みたい
→すぐに活かせる!ペルソナ設定を行う具体的な方法と注意点
ユーザーの行動を時系列で横軸に書き出す
ここからカスタマージャーニーマップの作成に入ります。
カスタマージャーニーマップのイメージをより具体的にするために、まずは検索エンジンで「カスタマージャーニーマップ」と入力して画像検索を行ってみてください。
すると様々なタイプのカスタマージャーニーマップを確認することができ、よりイメージしやすくなります。
カスタマージャーニーマップは自分でエクセルやパワーポイントなどを使用して作成することもできますし、専用のツールなどを用いて作成することもできます。
専用ツールについては、いくつかおすすめのものを後程ご紹介します。
カスタマージャーニーマップで最初に行うのは、設定したペルソナの行動を書き出す作業です。
最初のタッチポイントからゴールまで、ペルソナがどのような行動をとっていくかを横軸に当てはめていきましょう。
以下のような流れが、一般的なBtoCの場合の行動軸の項目となります。
BtoBの場合や、サービス内容等によって行動軸が変わる場合もあるので、自社のサービス内容にあわせた行動軸で作成をしてください。
<行動軸>
認知→興味・関心→サイト訪問・検討→再訪問→申込・購入→共有
それぞれの行動軸の中で、作成したペルソナが具体的にどんな行動を起こしているのかを書き出しましょう。
行動に伴う感情を書き出し整理する
次は行動に付随した感情を書き出します。
これは各行動の中で、何を求めているのか、どんなことを期待してその行動をしているのかを書き出していくイメージです。
<感情軸>
何かをしてもらいたい、何かを知りたい、何かをしたい
といった行動を起こす理由となる期待や不安などの感情を書き出して、何を求めているのかを整理していきます。
これがそのユーザーの中に隠された「ニーズ」につながっていきます。
課題の整理と施策ポイントの策定
行動と感情を整理した結果、見えてくる課題を整理して、施策を行うポイントを策定していきます。
期待されているもの、不安に感じていること、迷っていること、ストレスに感じていることなどの具体的なニーズをあぶり出し、「ゴールに向けて解決できる案」を出していきます。
<施策ポイント>
起こした行動とそこに伴う感情を解決するために何が求められているのか
↓
いつどのようなポイントで何を提示してあげれば解決できるのか
を一つずつ丁寧にアイデアを出していくことで、自社で行うべき施策が見えてくるでしょう。
カスタマージャーニーマップを作成する際に便利なツール
はじめてカスタマージャーニーマップの作成を行う場合は、複雑なフォーマットを使うと整理がしにくくなるため、簡単なものから着手する方が良いです。
自分でもエクセルやパワーポイントなどを用いて作成することもできますが、様々な会社が有料もしくは無料で提供しているものもあるため、それらを使う手もあります。
ここでは、比較的簡単に利用しやすいテンプレートやツールについてご紹介します。
■Keynote(キーノート)
金沢にあるデザインユニット「15VISION」が無料で提供しているシンプルなカスタマージャーニーマップです。
ワンクリックでダウンロードしてすぐに利用できます。簡単に利用できるので、まずはダウンロードしてどのようなものか見てみると良いでしょう。
■INNOVA(イノーバ)
オウンドメディアのパッケージサービス提供などを行っている会社です。
BtoB向けと、ECサイト用のカスタマージャーニーマップテンプレート、そして記入サンプルが用意されています。
必要事項を記入することでダウンロード可能です。記入サンプルがあるので初心者には使いやすいでしょう。
■ExperienceFellow
カスタマージャーニーマップをオンライン上で作成できる非常に便利ツールです。
カスタマージャーニーマップにコメントを登録することもできるので、チームで利用する場合におすすめです。但し英語版のみなので、慣れるまでは少し難しいかもしれません。
こちらは有料版なので購入が必要ですが、14日間は無料トライアルが可能なので、気になる方は一旦トライアルで使ってみると良いでしょう。
カスタマージャーニーマップの作成方法と便利ツール紹介まとめ
カスタマージャーニーマップがいかに便利で必要なものか、お分かりいただけましたでしょうか。
カスタマージャーニーマップは慣れていないと時間がかかり大変な部分もありますが、コツを掴めばユーザーのことを知ることができ、成果を上げるポイントが見えてくるためとても楽しい作業となります。
ただし、残念ながらカスタマージャーニーマップも一度作れば終わりというものではありません。
ユーザーの行動パターンや感情は、時代と共に変化していくため、定期的に見直していくことが必要です。
ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成などを含むサイトで成果をあげるために必要なコンテンツマーケティングについて、その取り組み方や考え方がなかなか線でつながらず自社サイトで成果をあげることに苦労しているという方は、ぜひソライルにご相談ください。
ソライルでは、コンテンツマーケティングを行う上でのアドバイスもしていますのでお気軽にお問い合わせください。
あわせて読みたい
→【簡単にわかる】コンテンツマーケティングとは?実践方法も解説
→お問合せ
関連記事