【マズローの欲求5段階説とは】具体例や企業のマーケティング活動で活かす方法を解説

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記事の監修

IT・WEB集客の専門家

波多野 明仁(Akihito Hatano)

WEB業界歴21年。学生時代に50サイトの制作・運営を行い収益化を達成。その後、ITシステム開発会社にてSEを6年間経験し独立。東証プライム企業をはじめ4,000サイト以上を改善してきた実績あり。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウをクライアント企業のWEB集客に活かし、日々活躍中。1年でアクセス数が715倍に増加した企業や、売上が25倍に増加した企業など、法人クライアントの実績多数。

こんにちは、株式会社ソライル Web集客コンサルタントの波多野です。

人間の欲求を5つの階層に分類した心理学理論の「マズローの欲求5段階説」。

実は、企業のマーケティング活動をはじめとしたビジネスで活かせることをご存じでしょうか。

また、時代の進化に伴って、6段階目の「自己超越欲求」を意識した取り組みを行うことも必要といえます。

今回は、マズローの欲求5段階説の概要や各段階の内容、マズローの欲求6段階目「自己超越欲求」の概要や企業のマーケティングに与える影響について解説します。

さらに、マズローの欲求5段階説をマーケティング活動などのビジネスで活かす方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

マズローの欲求5段階説とは

まずは、マズローの欲求5段階説の概要と生まれた背景について解説します。

マズローの欲求5段階説の概要

マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱したもので、人間の欲求を5つの階層に分類した心理学理論です。

人間の欲求は5段階にわけることができ、最下層である1段階目「生理的欲求」から順に欲求を満たしていくことで、最上段である5段階目「自己実現の欲求」を達成できるとされています。

後にご紹介しますが、マズローは晩年に5段階目のさらに上段として、6段階目「自己超越欲求」を発表しているため、ビジネスシーンでは6段階目も意識することが重要です。

マズローの欲求5段階説が生まれた背景

マズローは、当時の心理学において、健康的な人間の成長や発達についての研究が少ないことに疑問を感じ、人間のポジティブな側面に着目する重要性を感じたことから、「マズローの欲求5段階説」を提唱したとされています。

マズローの欲求5段階説は、「人間の心理をもっと素直に、日常的感覚に沿って理論化する」という理念から生まれた「ヒューマニスティック心理学(人間性心理学)」の代表格です。

マズローの欲求5段階説の各内容と例

こちらからは、マズローの欲求5段階説の各内容と例をご紹介します。

1段階目:生理的欲求

1段階目「生理的欲求」とは、生きていくために必要となる本能的な欲求です。

食欲や睡眠欲、排泄欲や水分補給欲など、人間が生命を維持するために不可欠な欲求であり、単純な生物は1段階目から上にのぼることはないとされています。

「忙しくて食事や睡眠がおろそかになっている」と感じる方は、まずは1段階目をきちんと満たしてあげることをすると良いでしょう。

2段階目:安全の欲求

2段階目「安全の欲求」とは、心身において安全や安心、安定を求める欲求です。

「安全な家に住みたい」「仕事に就いて、経済的に不安を感じずに生活したい」「適正な労働環境で働きたい」などが当てはまり、一般的に生理的欲求が満たされた後に発生します。

成長発達段階の乳児に顕著に見られる欲求でもあり、大人になる段階で自然と次の段階へ進むとされています。

3段階目:社会的欲求

3段階目「社会的欲求」とは、誰かとのつながりを欲する欲求です。

「集団に所属したい」「家族や周りから受け入れられたい」「仲間が欲しい」などが当てはまり、一般的に生理的欲求・安全の欲求の両方が十分に満たされることで表れます。

社会的欲求が満たされなければ孤独感を感じやすくなり、鬱につながることもあると言われています。

この「社会的欲求」のことを「所属と愛の欲求」と表現されることもあります。

4段階目:承認欲求

4段階目「承認欲求」とは、他者に自分を認めてもらうことや尊敬されることを欲する欲求です。

「自分の頑張りを認めてほしい」「他人よりも自分の方が優れているとわかってほしい」「SNSでいいねがほしい」などが当てはまり、一般的に生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求が満たされることで感じます。

承認欲求は基本的に誰もが持つものであり、モチベーションの向上など良い方向につながることもあれば、自分を苦しめたり相手を傷つけたりすることもあるでしょう。

5段階目:自己実現の欲求

5段階目「自己実現の欲求」とは、自分の可能性を最大限に発揮して理想の自分になることを欲する欲求です。

「独立して事業を興したい」「歌手になりたい」「田舎暮らしをしたい」などが当てはまり、一般的に生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求(所属と愛の欲求)・承認欲求が満たされると自己実現の欲求が発生します。

自己実現の姿や形は必ずしも仕事や職業に限定されず、人の数だけあることが考えられます。

マズローの欲求6段階目「自己超越欲求」とは

記事の前半でもご紹介したように、マズローは晩年に6段階目「自己超越欲求」について発表しました。

こちらでは、6段階目「自己超越欲求」の定義と具体例、6段階目がこれからの社会において重要視される理由について解説します。

6段階目「自己超越欲求」の定義と具体例

6段階目「自己超越欲求」とは、人間の欲求や利害に中心を置かない、「自己実現の欲求」を超えた欲求です。

「自分という枠組みを超えて、社会や他者、世界に貢献したい」などが当てはまるでしょう。

6段階目がこれからの社会において重要視される理由

自己超越欲求をもとにした代表的な取り組みとして、社会貢献活動が挙げられるため、6段階目はこれからの社会において特に重要視されるといえます。

現在、持続可能な社会を目指すために「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択され、世界的に取り組みが推奨されています。

地球環境に深刻な課題があり、差別や貧困などの問題が解決されていないことからも、社会全体で世界に貢献する欲求が重要視されると考えられるのです。

マズローの欲求6段階目が企業のマーケティングに与える影響

社会の変化とともに、6段階目の自己超越欲求が高まっていることから、マーケティングへも組み入れていくことが重要です。

こちらからは、顧客が6段階目を求める社会的背景、顧客が企業を「価値観」で選ぶ時代への対応方法、6段階目を考慮したマーケティングの成功事例について解説します。

顧客が6段階目を求める社会的背景

地球環境問題や差別、貧困問題など、世界は数多くの未解決な課題を抱えているため、「このままではいけない」という意識が多くの人に芽生えているといえます。

株式会社電通の調査によると、SDGsの認知率は91.6%であり、さらに9割弱(87.3%)の人がポジティブな意見を持っているという結果が出ているのです。(参照:2023年05月12日_電通、第6回「SDGsに関する生活者調査」を実施

顧客が企業を「価値観」で選ぶ時代への対応方法

株式会社電通の調査では、約8割(79.3%)の人が、SDGsに対して企業が積極的に取り組むことで良い印象を受けると答えています。(参照:2023年05月12日 電通、第6回「SDGsに関する生活者調査」を実施

このように、顧客が製品・サービスだけではなく、企業の価値観によって選ぶ時代において、世間が好印象を抱く社会貢献活動に取り組むことは効果的なアプローチです。

例えば、トヨタ自動車株式会社は、“ 未来にどうありたいか ”という視点から、大震災における被災者を様々な側面で支援したり、動植物生息地の保護・回復に取り組んだりなど、様々な社会貢献活動を実施しています。(参照:2024年3月発行 TOYOTA 社会貢献活動

6段階目を考慮したマーケティングの成功事例

トヨタ自動車株式会社は、持続可能な社会の実現に貢献するため、環境問題におけるクルマのもつマイナス要因を限りなくゼロに近づける「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表しています。(参照:2015年10月14日 トヨタ自動車、「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表

また、株式会社ユニクロは、循環型社会に貢献するため、着なくなった服を店舗で回収し、リサイクルや難民への医療支援として送る「RE.UNIQLO」という取り組みを行っています。(参照:ユニクロ「RE.UNIQLO」

どちらも顧客・株主からの信頼につながり、競合他社との差別化を生み出す成功事例といえるでしょう。

マズローの欲求5段階は「3種類」に分けられる

マズローの欲求5段階は、以下3種類に分けられることをご存じでしょうか。

  • ・外的欲求か内的欲求か
  • ・物質的欲求か精神的欲求か
  • ・欠乏欲求か成長欲求か

上記3種類をふまえて、マズローの欲求についてさらに理解を深めていきましょう。

外的欲求か内的欲求か

1つ目の分類は、「外的欲求か内的欲求か」です。

自分が関わる外的環境を満たそうとする欲求か、自分の内面を満たそうとする欲求かによって、以下の通りにわけられます。

分類 当てはまる欲求
外的欲求
  • ・生理的欲求
  • ・安全の欲求
  • ・社会的欲求
内的欲求
  • ・承認欲求
  • ・自己実現の欲求

外的欲求は衣食住や社会とのつながりなど、生存や社会的な関係を保つために欲するものであり、外的欲求が満たされた後に内的欲求に動かされるとされています。

物質的欲求か精神的欲求か

2つ目の分類は、「物質的欲求か精神的欲求か」です。

生命維持のために必要な物資を求める欲求か、非物質的な心の満足度を求める欲求かによって、以下の通りにわけられます。

分類 当てはまる欲求
物質的欲求
  • ・生理的欲求
  • ・安全の欲求
精神的欲求
  • ・社会的欲求
  • ・承認欲求
  • ・自己実現の欲求

家やお金、食料など、安心できる環境があることで、喜びや充足感など精神面を満たしたいと考えるようになるのです。

欠乏欲求か成長欲求か

3つ目の分類は、「欠乏欲求か成長欲求か」です。

自分に足りないものを外部から取り入れようとする欲求か、さらに自分を高めていこうとする欲求かによって、以下の通りにわけられます。

分類 当てはまる欲求
欠乏欲求
  • ・生理的欲求
  • ・安全の欲求
  • ・社会的欲求
  • ・承認欲求
成長欲求 自己実現の欲求

欠乏欲求が発生して自分に足りないものが入手できると、さらに外部から得ようとするモチベーションは少なくなります。

しかし、4つの欠乏欲求が満たされた場合、「あれをしたい」「こんな風に過ごしたい」など自分の可能性を追求したいという気持ちが生まれ、人としての成長につながるのです。

マズローの欲求5段階説が企業のマーケティング活動で重要な理由

マズローの欲求5段階説を自社の製品やサービスに当てはめてみると、より効果的なマーケティング活動を行えます。

顧客がどんな欲求を抱えているかがわかれば、その欲求を満たす製品・サービスの開発や訴求を行うことで、効果的なアプローチが見込めるでしょう。

ビジネスは人の欲求を満たして価値を感じてもらうことが重要なので、マズローの欲求5段階説をぜひ活用してみてください。

マズローの欲求5段階説をマーケティングに活かすには?

マズローの欲求5段階説をマーケティングに活かすためには、以下2つの方法を試してみましょう。

  • ・顧客のニーズを当てはめて分析する
  • ・顧客のニーズに適した訴求を行う

上記2つの方法についてご紹介します。

顧客のニーズを当てはめて分析する

ターゲットのニーズをマズローの欲求5段階説に当てはめて分析してみてください。

例えば、食品を販売している企業の場合、安全欲求が強いターゲットは「無添加や無農薬のもの」に魅力を感じ、承認欲求が強いターゲットは「ブランドなどの周囲から一目置かれるもの」を求めるでしょう。

このように、マズローの欲求5段階説を活用すると、「自社製品・サービスは顧客のニーズを満たしているか」「どんな点を満たせていないのか」を明確にできます。

顧客のニーズに適した訴求を行う

マズローの欲求5段階説を活用して、顧客のニーズに適した訴求を行いましょう。

ターゲットの最も強いニーズは、マズローの欲求5段階説のどれに当てはまるのかを考えると、顧客から好感を持たれる訴求を実施できます。

ターゲットの欲求を正しく理解できなければ、顧客が不快感を感じる訴求になり炎上することも考えられるので、ぜひマズローの欲求5段階説を利用してみてください。

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マズローの欲求5段階説をマーケティング以外に活かす方法

マズローの欲求5段階説は、マーケティング以外に下記2つの方法からビジネスシーンで活かすことが可能です。

  • ・組織マネジメントの参考にする
  • ・従業員のモチベーション向上に役立てる

上記2つの方法についてご紹介します。

組織マネジメントの参考にする

マズローの欲求5段階説は、経営資源を効果的に活用し目標を達成するための取り組みである「組織マネジメント」の参考にできます

組織マネジメントを実現するためには、チームメンバーが話しやすい環境を作ったり、各メンバーの個性やスキルを考慮したうえで指示を出したりすることが重要です。

この際、各従業員はマズローの欲求5段階説においてどの欲求が強いのかを考えると、それぞれが会社全体の目標を自分ごと化して捉えることができるので、生産性向上や結束力の高まりにつながります。

従業員のモチベーション向上に役立てる

従業員のモチベーション向上についても、マズローの欲求5段階説を活用することが可能です。

下層の欲求が満たされなければ、従業員は企業の目的のために働く意思が下がってしまいます

長時間労働の削減や給与体系の見直しを行ったり、定期的に面談を実施し悩みを抱えていないかを確認したりしながら、各従業員の欲求を満たすことでモチベーションの向上が見込めます。

マズローの欲求6段階目に関連した注意点

これからのビジネスに必須の「マズローの欲求6段階目」ですが、活用するときは以下2つの点に注意しましょう。

  • ・顧客や従業員への「押し付け」にならないようにする
  • ・社会貢献と収益性のバランスを考慮する

上記2つの注意点について解説します。

顧客や従業員への「押し付け」にならないようにする

自社の取り組みを、顧客や従業員へ押し付けないように注意しましょう。

社会の変化とともに、6段階目の自己超越欲求が高まっているとしても、実施している社会貢献活動などの情報を一方的に押し付けるのはNG

顧客や従業員の受け入れ体制が整っていない状態で、企業の意見を必死に伝えても、拒否されたり信用が低下したりなどが考えられます。

自社が伝えたいことを優先するのではなく、顧客や従業員の欲求やニーズをふまえたうえで、どのようにアプローチしていくか検討していきましょう

社会貢献と収益性のバランスを考慮する

社会貢献活動は企業の利益に直結しないため、収益性のバランスを考慮する必要があります。

予算や時間との兼ね合いをふまえたうえで、できる範囲で長期的に活動していくことで、ブランドイメージの向上や投資家へのアプローチにつながり、長期的な利益が生まれやすくなるでしょう。

マズローの欲求5段階説とは、まとめ

今回は、マズローの欲求5段階説の概要や各段階の内容、マズローの欲求6段階目「自己超越欲求」の概要や企業のマーケティングに与える影響などについて解説しました。

マズローの欲求5段階説をもとに顧客のニーズを意識すれば、効果的なマーケティングを実施できます。

また、顧客がより6段階目を意識し始める未来に向けて、社会貢献活動などの企業自体に価値を感じられるような取り組みも始めていきましょう。

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