【経営理念の作り方3ステップ】起業家に欠かせない「志」について
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記事の監修
IT・WEB集客の専門家
波多野 明仁(Akihito Hatano)
WEB業界歴20年。学生時代に50サイトの制作・運営を行い収益化を達成。その後、ITシステム開発会社にてSEを6年間経験し独立。東証プライム企業をはじめ4,000サイト以上を改善してきた実績あり。自社メディアの制作・運営で培ったアクセスアップのノウハウをクライアント企業のWEB集客に活かし、日々活躍中。1年でアクセス数が715倍に増加した企業や、売上が25倍に増加した企業など、法人クライアントの実績多数。
こんにちは、株式企業ソライル Web集客コンサルタントの波多野です。
企業の軸である経営理念。
「起業したけど、具体的な方向性が見えない」「自分の思っている方向へ事業が進んでいない」とお悩みの方は、経営理念を今一度見直してみると良いかもしれません。
今回は、経営に欠かせない経営理念の作り方について解説します。
経営理念とは?
まずは、経営理念とは何かということや、「企業理念」「パーパス」との違いについてお話していきましょう。
経営理念とは「企業の理想となる活動方針を表した言葉」
経営理念とは、企業の理想となる活動方針を表した言葉であり、最終的に目指す理想像を明文化したものです。
経営者が心の奥底で抱えている想いを形にした経営理念があれば、社内全体で考えを共有でき、長く生き残る強い会社をつくることができます。
「企業理念」「パーパス」との違い
経営理念と混同しやすいものとして、「企業理念」「パーパス」が挙げられます。
以下でそれぞれの特徴をご紹介しますので、参考にしてみてください。
- ・経営理念:経営者が大切にする価値観を明文化したもの。「経営者」が主体の考え。
- ・企業理念:企業が何のために事業活動を行うのかを明文化したもの。「企業」が主体の考え。
- ・パーパス:企業の社会的な存在価値を明文化したもの。「社会」が主体の考え。
経営理念を作ることが必須な理由
経営理念を作ることは、以下5つの理由から重要といえます。
- ・ビジョンがぶれることを防げる
- ・経営への意思を固められる
- ・企業について改めて考えられる
- ・社員のモチベーション向上につながる
- ・企業が長く生き残る
5つの理由についてお話していきましょう。
ビジョンがぶれることを防げる
経営理念は、経営者の哲学に基づいて作られるものなので、活動のビジョンがぶれることを防げます。
自身の会社が何を大切にしているのかはっきりとさせれば、どのように対処すべきかを的確に判断することが可能です。
長期にわたって繁栄し続けている企業を表す「ビジョナリーカンパニー」も、明確な経営理念をもとに柔軟に変化へ対応しています。
経営への意思を固められる
経営理念を作ることで、経営への意思を固められるメリットもあります。
企業の未来を真剣に考えて設定した経営理念だからこそ、作成した後は「社員に嘘はつけないし、経営理念に反する言動や行動はできない」と改めて覚悟を決められるでしょう。
経営へ取り組む姿勢が変わるからこそ、常に理想のあり方で生きることができるのです。
企業について改めて考えられる
経営理念を作ることは、企業について考えるきっかけにもなります。
現在の問題点や理想、実現のために必要なことなど、叶えたい企業像だけではなく、それに対して自分自身が適切な行いをしているのかも改めて見つめ直せるでしょう。
社員のモチベーション向上につながる
経営理念を作成して定着させれば、社員のモチベーション向上にもつながります。
経営理念によって具体的な目標が決まれば、社員が何をすれば良いのかがわかるので、業績アップに向けて判断に迷わず取り組むことが可能です。
効率的な社内コミュニケーションも生まれるうえ、業績アップにより給与面なども好待遇になるため、社員はさらに仕事へのやりがいを得られるでしょう。
企業が長く生き残る
企業が長く生き残るためにも、経営理念は欠かせません。
これは、長期的に企業が繁栄し続けるための条件が以下の通りだからです。
- ・社会変化へ柔軟に対応できる
- ・ニーズに応じて価値やサービスを進化させている
- ・リスク対策をしている
- ・人材の育成に力を入れている
経営理念があれば、社員全員が目指すべき理想を把握できるため、企業の成長に向けて一丸となって進むことができます。
経営理念を作る前に!「志」の立て方
企業に必須の経営理念ですが、作る前にはまず経営者自身の「志(こころざし)」を立てる必要があります。
こちらでは、志とは何かということから、志の立て方6ステップを解説します。
志とは
志とは、「理想的な自分のあり方」であり、人生においての大きな目標です。
自らの意思で何を実現したいのかに向き合い、志を立てることで、その実現に向けてより高いモチベーションを維持しながら取り組み続けることができます。
つまり、志を立てれば「自分は何のために企業を経営するのか」も明らかになるため、方向性が定まるのです。
志を明確にするには、付箋紙とペンを用意し、次章からの6ステップで記載されている質問に5秒で答えを書き、読み上げてみましょう。
自分事にするためにできれば経営者一人の志だけではなく、少なくとも主要メンバーの志も一緒に定めてみてください。社員が多い企業では現実的にはなかなか難しいかもしれませんが、取り組む価値は大きいです。
【ステップ1】世界の問題について考える
まずは、世界の問題について以下4つの質問に答えていきましょう。
- ・今世界で起きている問題は何ですか?
- ・その問題をそのまま放っておくと、10年後はどうなると思いますか?
- ・その問題をそのまま放っておくと起こりうる、最も最悪な状況は何だと思いますか?
- ・なぜそう思うのですか?
「理想の企業像」という枠に捉われず、個人の視点で世界の問題について考えてみてください。
世界について考えることで、視座を高めることができます。
【ステップ2】理想の世界について考える
世界の問題が明らかになったら、2つの質問で理想の世界について考えます。
- ・あなたが思う理想の世界とはどんな世界ですか?
- ・あなたの理想として、未来どのような世界になっていれば最高の世界だといえますか?
ここで大切なのが、必ず「世界の問題→理想の世界」といった順番で答えること。
問題について考えた後に理想を思案すれば、「理想の世界」だけを考えるより、より理想が際立ちます。
【ステップ3】理想の世界を実現するために必要なことについて考える
次に、6つの質問から、理想の世界を実現するために必要なことについて答えてみてください。
- ・今あなたが出した理想を実現するのに、一番影響を与えている人(キーパーソン)は誰だと思いますか?
- ・なぜそう思うのですか?
- ・あなたは、理想の世界を実現するため自分自身、何%の思いで取り組みたいですか?
- ・なぜそう思うのですか?
- ・自分の理想を実現するためには、いつから取り組めば良いと思いますか?
- ・なぜそう思うのですか?
考えるうえでポイントなのが、他人の理想ではなくあなた自身の理想であることを念頭に置くことです。
また、実現するための想いが強いほどエネルギーは大きいので、「キーパーソンは自分。100%の思いで、今から取り組む」と決意を固めます。
【ステップ4】自分が抱える問題について考える
こちらのステップでは、以下10の質問から自分が抱える問題について考えていきましょう。
- ・今現時点で、あなたが問題と思っていることは何ですか?
- ・あなたが解決したいと感じていることは何ですか?
- ・あなたはどのようなことにイライラや不甲斐なさ、怒りを感じますか?
- ・あなたはどんなことに悲しさを感じますか?
- ・あなたはどんなことに恐怖・恐れを感じますか?
- ・あなたはどんなことに憂いや、やるせなさを感じますか?
- ・あなたに足りないものは何ですか?
- ・あなたが今、必要だと思っていることは何ですか?
- ・これらの問題をそのまま放っておくとどうなりますか?
- ・これらの問題をそのまま放っておいた場合、どのような感情で過ごしていると思いますか?
改めて自身の問題と向き合ってみることで、現状を把握してみてください。
【ステップ5】理想の自分について考える
自分の問題について答えられたら、以下9つの質問をもとに理想の自分について考えてみましょう。
- ・1年後の理想の自分は、どうなっていますか?
- ・3年後の理想の自分は、どうなっていますか?
- ・10年後の理想の自分は、どうなっていますか?
- ・死ぬまでに絶対にやっておきたい個人的なことは、何ですか?
- ・あなたは、死んだあとに家族からどのように言われたいですか?
- ・あなたは、死んだあとに友人からどのように言われたいですか?
- ・あなたは、死んだあとに社会からどのように言われたいですか?
- ・死直前の完璧な自分は、今の自分にどのようなアドバイスをしますか?
- ・全てのお金と権力、超能力を備えた自分であれば、どのような人生、どのような自分になりたいですか?
ステップ2「理想の世界について考える」のときと同様に、「自分の問題→理想の自分」の順番で思案することで、より理想の自分について深い気付きが得られます。
【ステップ6】理想の世界と理想の自分を同時に実現するための「志」を立てる
最後のステップとして、以下7つの質問に答えてから「志」を立ててみましょう。
- ・その理想を実現するためのキーパーソンは誰ですか?
- ・何%の想いでいつから取り組みますか?
- ・どのようにすれば、その理想は実現されますか?
- ・その理想を実現するためには、何が必要ですか?
- ・それをいつ手に入れた方がいいですか?
- ・それはどこにありますか?
- ・あなたが今まで出した世界の理想と、自分の理想を同時に達成するために、どのような志を掲げますか?(この質問の回答は5秒以上かけて大丈夫です。)
自らの内面と丁寧に向き合い、理想の世界と理想の自分を同時に実現できる志が立てられれば、ビジネスで大きな壁に直面したときもチャレンジし続けられます。
志が書けたら、声に出して読んでみてください。
経営理念の作り方3ステップ
メンバー全員の志が決まったら、いよいよ以下3ステップで経営理念を作っていきます。
- ・組織の問題について考える
- ・理想の組織について考える
- ・メンバー全員の志と理想の組織との両方を実現するための「経営理念」について考える
では、経営理念の作り方について解説していきましょう。
【ステップ1】組織の問題について考える
まずは、以下3つの質問と共に、組織の問題について考えてみてください。
- ・今、組織で起きている問題は何ですか?
- ・その問題をそのまま放っておくと起こりうる、最も最悪な状況は何だと思いますか?
- ・なぜそう思うのですか?
志を立てるときと同じように、付箋紙とサインペンを用意し、5秒で考えて書いて読み上げてきましょう。
【ステップ2】理想の組織について考える
次に、以下2つの質問に答えながら、理想の組織について考えます。
- ・あなたが思う理想の組織とは、どんな組織ですか?
- ・あなたの理想として、未来どのような組織になっていれば最高の組織だといえますか?
長期的に目指すべき姿を具体的にイメージし、「こんな組織にしたい」という願望を書き出してみてください。
【ステップ3】メンバー全員の志と理想の組織との両方を実現するための「経営理念」について考える
最後に、以下7つの質問をもとに、経営理念を作り上げていきます。
- ・その理想を実現するためのキーパーソンは誰ですか?
- ・何%の想いでいつから取り組みますか?
- ・どのようにすれば、その理想は実現されますか?
- ・その理想を実現するためには、何が必要ですか?
- ・それをいつ手に入れた方がいいですか?
- ・それはどこにありますか?
- ・あなたが今まで出した世界の理想、組織の理想、自分の理想を同時に達成するために、どのような理念を掲げますか?(この質問の回答は5秒以上かけて大丈夫です。)
大切なのは、メンバー全員の志と理想の組織との両方を実現する経営理念を考えること。
自分事にするために、社員全員と話し合うのがおすすめです。
難しい場合は主要メンバーとだけでも意識を共有していきましょう。
経営理念を作るときのポイント
経営理念を作るときは、以下3つのポイントを意識することで、より良い案を作成できます。
- ・何のために自社が存在しているかを思案する
- ・自社の存在理由を達成するための手段を検討する
- ・定期的に確認し磨いていく
では、経営理念を作るときのポイント3つについてお話していきましょう。
ポイント1:何のために自社が存在しているかを思案する
経営理念は、何のために自社が存在しているかを考慮して考えます。
社会に対して自社がどのように立ち回り、役立っていきたいのかを思案することで、自身の希望を通しながら顧客にも求められる経営を実施することができます。
ポイント2:自社の存在理由を達成するための手段を検討する
自社の存在理由を導き出した後は、それを達成するための手段を検討します。
どんな商品やサービスを提供すれば、自社がぶれずに進むべき方向へと歩んでいけるのかを考えてみてください。
ポイント3:定期的に確認し磨いていく
完成した経営理念は、定期的に確認しながらさらに磨いていきます。
内面に向き合い「これで大丈夫だ!」と満足できるようになるまで妥協せずに作り上げていきましょう。
経営理念の作り方3ステップ、まとめ
今回は、経営理念に欠かせない志の立て方や、経営理念の作り方を解説しました。
経営理念を作るには、この記事でお伝えしたステップを参考に、理想的な自分のあり方である志を立ててから組織について考えてみましょう。経営者自身の軸が定まることで、人生の質も高まっていき、仕事の方向性も明確化されます。
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